1986 Fiscal Year Annual Research Report
方形波パルス加熱による高温域熱物性値測定法の精度向上に関する研究
Project/Area Number |
61460109
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小林 清志 豊田工大, 工学部, 教授 (60005163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 孝義 豊田工業大学, 工学部, 助手 (90150797)
海野 紘治 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (40005509)
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Keywords | 熱物性値 / 方形波パルス加熱法 / 計測 / 放射率 / 表面処理 |
Research Abstract |
1.試料表面処理法の検討 方形波パルス加熱法では、各種金属、セラミクスなど様々な物質の熱物性値の測定が容易である。このため、試料の表面処理の方法としても、放射率の絶対値が大きく高温度下で安定であることに加え、各種物質に共通して行なえるものが望ましい。そこで、カーボンブラック薄膜付着、黒鉛塗料の噴霧塗装、黒鉛の真空蒸着の3種について実験してみたところ、空気中ではいずれも500℃以上の温度では消滅してしまうこと、真空中では黒鉛塗料は900℃、他は1000℃まで使用できるがそれ以上ではやはり消滅してしまうことが判明した。なお、カーボンブラックについては短時間であれば1200℃程度まで使用が可能であるが、安定性に欠けるため、他に適当な表面処理法を考慮しなければならないことがわかった。 2.放射率の温度依存性の測定 放射率は、試料表面と黒体炉との放射輝度の比より測定する。目的とする処理をした試料表面は熱放射に対して拡散的であるため、これを考慮した測定方法、装置を考案し試作している。なお、先の3種の表面処理をした試料について、別に製作した組込黒体法による装置によって室温から500℃の範囲で測定したところ、この温度範囲では放射率はほぼ一定の値を示した。 3.高温域用の熱物性値測定装置の改善 現有試作装置による1000℃以上の高温域における安定な測定を実現するために、電気絶縁性、試料の保持方法、炉体構造などについて再検討し、種々の改善対策を行なった。その結果、測定信号に含まれるノイズの低下、炉内の均熱性が良くなるなど装置の基本性能の向上が確認され、装置関係の諸問題はほぼ解決された。 4.今後の計画 継続して高温で安定な表面処理法の確立をめざし、その放射率の温度依存性を実測し、これを測定理論に取り入れて熱物性値測定の精度向上を計る。
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