1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 隆夫 京大, 工学部, 教授 (10025877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 敏朗 京都大学, 工学部, 助手 (70144326)
松木 純也 京都大学, 工学部, 講師 (90089110)
仁田 旦三 京都大学, 工学部, 助教授 (40026266)
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Keywords | 超電導発電機 / 励磁電源 / 励磁制御 / エネルギー転送回路 |
Research Abstract |
超電導発電機は同期インピーダンスが小さく、界磁電流制御なしでも電力系統安定度に寄与する。更に界磁電流制御を行なうと大巾な安定度向上がなされる。しかし界磁電流制御を行うにあたり、超電導機の界磁開放時定数が長いため、従来方式の電源を用いると、従来機と同程度の効果を得るためには、その容量が定常運転時に必要な容量の500倍以上となる。そこで我々は、小小型電源と超電導コイルとエネルギー転送回路からなる超電導発電機励磁電源を提案した。これは、定常時は、小型電流から電流を供給し、過渡時の界磁電流制御必要時には、超電導コイルから電流供給を行うものである。研究課題は、1)基本的動作の確認、2)界磁電流制御に対する各要素(電源、超電導コイル、転送回路)の制御方式の確立、3)界磁電流制御による安定度向上実験である。1)に関しては、2つの常電導コイルを用いて、基本励磁実験、クエンチ時のエネルギー回収模擬実験を行い、動作が確認できた。転送用コイルとして超電導コイルを用いた実験(界磁巻線は常電導コイルで模擬した)においては、超電導コイル電流の立上り時に電流のオーバーシュートが観察され、制御系の改善がなされた。次に現有の2OkVA超電導発電機(無負荷定格電圧に対する界磁電流202A)で用いて実験を行った。界磁電流20A程度まで所望の動作が行えたが、それ以上になると、界磁コイル付近の温度上昇が大きく、実験継続が下可能となった。このため現在パルス用超電導コイルを用意して実験を行う計画をしており、来年度にはその実験成果が得られると思われる。今年度得られた知見は、1)この励磁電源の基本動作が確認されたこと、2)超電導コイルの電流立上り制御は常電導コイルの場合と異なった制御が必要なこと、3)速応励磁可能な超電導発電機は界磁コイルのみならず回転子構造材についても界磁電流変化時に損失の少ないものを選ぶ必要があること、である。
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