1986 Fiscal Year Annual Research Report
紫外光励起を利用したシリコン基板上へのエピタキシャル絶縁膜形成の基礎研究
Project/Area Number |
61460124
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中村 哲郎 豊橋技科大, 工学部, 教授 (00126939)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 章 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40126941)
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30126924)
|
Keywords | 紫外光励起 / シリコン基板 / 絶縁膜 / 超高真空 / XPS分析 |
Research Abstract |
シリコン基板上にエピタキシャル絶縁膜(【Al_2】【O_3】系)を形成するための基礎研究として超高真空反応室(1×【10^(-9)】Torr)にて清浄シリコン表面上にトリメチルアルミニウムと【N_2】Oガスを交互に導入し、紫外光励起吸着・反応過程を調べた。シリコン表面上の反応過程はゲートバルブで分解させられた【10^(-10)】Torrの分析室(XPS,LEED/Auger)で分析した。用いた紫外光源はArFのエキシマレーザ(193nm)である。化学洗浄したシリコン基板を反応室に入れ、約1000℃に基板を加熱して清浄表面を出す。これによりXPS分析では炭素、酸素は検出限界であり、Si(111)面では7×7構造が観測できた。このシリコン清浄面にトリメチルアルミニウム(TMA)を吸着させ、あるいはArFレーザを2.5W(70Hz)で励起・吸着させた状態ではTMAはSiと物理吸着を生じているだけである。これを600℃で加熱するとSi界面にSiCが形成される。またAlは表面に出てくる。このようにTMAのC【H_3】基からのCがSi表面上にSiCを形成するとこれはエピタキシャル絶縁膜に好ましくない。そこで清浄シリコン表面を【N_2】Oガスで数原子層反応させ、SiOx層を形成し、その後TMAを導入し【Al_2】【O_3】膜を形成することを試みた。この酸化層の存在によりTMAのAlは酸素と室温で結合することがわかった。またこの場合、TMAをArFレーザで励起させる方がCの混入は少ない。その後基板を加熱(620〜640℃,2分)しても、SiCの形成される量を減少させることができた。以上、XPSのCとAlのスペクトル面積比を比較し、TMAのようなC【H_3】をもつ有機金属ガスからCの汚染を防ぐには、数原子層の酸化層を前もって形成し、Si表面とCの直接的反応を防ぐ状態にしてからTMAを光解離吸着させるのが良いことがわかった。今後はCを最小にできる条件を確立し、【Al_2】【O_3】系膜の結晶性を同時に評価していく。
|
Research Products
(2 results)