1986 Fiscal Year Annual Research Report
直線集束ビーム超音波顕微鏡による薄膜音響特性測定法に関する研究
Project/Area Number |
61460145
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中鉢 憲賢 東北大, 工学部, 教授 (20006224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛引 淳一 東北大学, 工学部, 助手 (50108578)
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Keywords | 直線集束ビーム超音波顕微鏡 / 音響特性 / 漏洩弾性表面波 / 定量計測 / 音速 / 層状構造 / 速度分散 / 膜厚測定 |
Research Abstract |
近年、半導体集積回路,集積光学デバイス,弾性表面波デバイスなどの研究・開発分野において、薄膜材料及び薄膜作成技術はデバイス作成プロセスの中で、極めて重要な位置を占めている。デバイスを設計するためには、薄膜状態における関連した諸物理特性の詳細なデータが必要とされている。これまで薄膜の構造および力学的,光学的,電気的,磁気的などの諸性質については広く研究されてきている。しかしながら、薄膜材料の弾性的,音響的性質に関しては、それが物質の最も基本的物理特性でありながら、その定量的計測法が確立されていないこともあり、十分な研究は進んでいない。本研究はこのように、これまでほとんど得ることができなかった薄膜のas-grown状態での弾性的性質を簡便かつ高精度で測定でき、広い範囲の材料に適用できる薄膜音響特性測定法を確立することを目的とする。 61年度の研究成果を要約すると以下のようである。 1.音響特性測定手段としての直線集束ビーム超音波顕微鏡システムの高安定化を計り、音速測定において±0.01%の高精度測定が達成された。 2.本研究目的のためには、まず、層状構造固体試料における漏洩弾性波の伝搬特性を理論的に解析する必要があり、等方性薄膜/等方性基板および非圧電性異方性基板に対しての理論解析プログラムを作り、測定に関与する伝搬モードの伝搬特性(超音波周波数および膜厚による分散特性)を明らかにし、測定には漏洩弾性表面波と漏洩擬似弾性表面波が有用であることを示した。 3.漏洩弾性波の速度分散特性を利用した膜厚測定法を考案し、Au薄膜/溶融石英基板の試料に対する基礎実験の結果、3000【A!°】の膜厚に対して2【A!°】の分解能が得られた。
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Research Products
(2 results)