1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460152
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永井 欣一 広島大, 工学部, 教授 (10034290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 光正 広島大学, 工学部, 助教授 (80034346)
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Keywords | 陰極防食 / 数値解析 / 境界要素法 / 温度 / 流速 / ラプラスの方程式 |
Research Abstract |
海洋構造物の防食は板厚の衰耗のみならず、腐食疲労の観点からも重要な検討課題となっている。海洋構造物は使用期間中に入渠して補修することが困難であるので、その没水部の防食法としては塗装よりも電気防食法が多用されている。従来の電気防食法では鋼材表面の平均電流密度が、海域によって異なる所定の値以上になる様電極の数と配置を決定しているが、このような電極の配置では、形状の複雑な構造物の場合疲労亀裂を生じ易い応力集中箇所が防食電位に達している保証はない。 そこで本研究は、電極の合理的な配置を設計段階で検討できるように電気防食下における構造物表面の電位分布を推定する方法を開発し、この方法を用いて海水の温度および流速が防食範囲に及ぼす影響について検討した。得られた成果を要約すると次のようになる。 (1)構造物表面の電位分布はラプラスの方程式によって支配されているが、設計段階では基本境界条件が与えられていないので、これに替えて防食電流の保存則を組込んだ境界要素計算法を開発し、この数値計算法によって、流電陽極法による陰極防食下の構造物の電位分布を推定できることを明らかにした。 (2)境界要素法は計算機の記憶容量および計算時間の節約が可能であり、3次元電場については無限領域の解析が可能となるなど有限要素法に比べて有利な点が多いが、計算結果がガウスの数値積分の精度に支配されるので、この点についてさらに改良を加える必要がある。 (3)海水温度が降下すると海水の比抵抗が増加し、防食域は狭くなる。また、海水の流速が増すと電極境界層の分極抵抗が減少する結果、多大の防食電流が必要となるので防食域は狹くなる。
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Research Products
(1 results)