1986 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート弱小モデル建物の実地震応答観測結果の評価に関する研究
Project/Area Number |
61460171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 恒男 東大, 生産技術研究所, 教授 (40013122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隈澤 文俊 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60205169)
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Keywords | 鉄筋コンクリート造 / 弱小モデル / 地震応答観測 / 実地震動 / 柱崩壊型 / はり崩壊型 / 弾塑性地震応答解析 |
Research Abstract |
地盤との相互作用をも含めた地震時の構造物の崩壊に至るまでの挙動を把握することを目的として、気象庁震度階【IV】程度の中小地震によっても損傷が生じるように、意図的に弱く設計した。柱か梁より先に降伏する柱崩壊型モデルと梁が柱より先に降伏する梁崩壊型モデルの2体の、鉄筋コンクリート造建物弱小モデルによる地震応答観測を1983年より行なってきたが、これまでに震度階で、【II】、【III】、及び【IV】クラスの地震に対して、約60個のデータが集積できた。特に、1985年10月4日には、震度階【IV】の地震に対し、1階で約90gal、5層のトップで約310galを観測、また、1986年6月24日には、同じく震度階【IV】の地震に対し、R階の基礎からの応答相対変位が1.15cm、平均部材角にして約1/450の応答を記録、試験体を構成する柱、または梁部材にかなりの損傷を見ることができた。 本年度は、集積されたデータを観測地震動特性、構造物の応答特性、及び入力地震動特性と構造物の応答特性との関係等に重点を置いて検討を行なった結果、試験体の応答性状は入力地震動特性に依存し、また、それは表層地盤の特性に大きく影響されること、そして表層地盤と各試験体の周期特性の関係から、各試験体の振動性状に相違が生じること等が明らかとなった。また、固有周期が観測値と近い解析モデルを用いれば、弾塑性地震応答解析により観測結果をうまくシミュレートできること等の結果を得た。また、梁崩壊型モデルと同型モデルを用いた小振幅静的繰り返し載荷による耐震実験もあわせて行ない、弾性範囲におけるモデル建物の性質、及び試験体の設置されている地盤の特性を調べ、これらの結果を上述した解析に反映させた。
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[Publications] 田村良一: 東京大学学位請求論文. (1987)
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[Publications] 田村良一,隈澤文俊,岡田恒男: 日本建築学会大会学術講演梗概集. B. 575-576 (1986)