1986 Fiscal Year Annual Research Report
断熱気密化に伴って自然換気量の減少した住宅における室内空気汚染の防除に関する研究
Project/Area Number |
61460180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉野 博 東北大, 工学部, 助教授 (30092373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 博 東北大学, 工学部建築学科, 助手 (90125659)
石川 善美 東北大学, 工学部建築学科, 助手 (60005494)
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Keywords | 気密性能 / 空気汚染 / 自然換気量 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき研究を進め、以下の研究成果を得た。1.断熱気密性能の高い住宅を対象として、窓サッシュなどの隙間をビニールシートで調節して異なる隙間量毎に各種外部条件下(外部風向風速及び室内外温度差)における自然換気量を測定し、データを分析した。その結果、隙間量の比較的多い場合に、室内外温度差と換気量の間に高い相関があったが、隙間量が少なくなるにつれ、相関が低くなる傾向が見られた。また、外部風速と換気量については室内外温度差の場合程相関は見られなかった。これらの原因については次年度の実測である。2.換気量の測定値を各種予測法による値と比較した。その結果、従来の手法による計算値との比較では、隙間量の多い場合に、また隙間量の少ない場合には、Grimsrud等の手法による計算値と良く一致したが、両手法とも隙間量によっては、かなり異なる場合が生じた。この点については今後の課題である。3,気密性能の高い住宅の空気環境の実態、特に空気汚染の危険性の高い冬の暖房期における調査を行った。先ず、(1)分光光度計による【NO_2】バッチフィルターを用いた【NO_2】濃度の測定法及び従来測定が困難とされていた居住時の換気量測定を目的としたS【F_6】(六フッ化イオウ)ガスをトレーサーガスに用いてECDガスクロによる分析を行う換気量測定法の分析手順・精度等を検討し、(2)冬期の居住時の【CO_2】、【NO_2】、粉塵濃度及び換気量を測定した。その結果、開放型ストーブを使用した場合に、かなり高い【CO_2】、【NO_2】濃度となるなど多くのデータを蓄積した。今後、さらにデータを蓄積し、生活行動と空気汚染濃度との関係を明らかにし、精度の高い汚染濃度の予測法の開発を行う予定である。
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