1986 Fiscal Year Annual Research Report
超音波散乱法による粉末加工品の気孔率,気孔形状およびその分布の非破壊評価
Project/Area Number |
61460200
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島田 平八 東北大, 工学部, 教授 (90005174)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 毅 東北大学, 工学部, 助手 (20174112)
小幡 充男 東北大学, 工学部, 助教授 (10005548)
|
Keywords | 粉未加工 / 超音波散乱法 / 気孔率 / 気孔形状 / 気孔分布 |
Research Abstract |
交付申請書で記述のように、本年度は (1)試料作成 (2)超音波散乱法の計測システムの開発 の2点を完了させることが主目的である。まず「試料作成」については、チタン粉,球状鋼粉,還元鉄粉をそれぞれ粉未加工し、直径15mm,高さ約15mmの試料を作成した。粉未加工の際、圧粉圧力を2段階に又焼結時間を5段階に変えることで、試料内の気孔特性(気孔率,気孔形状,気孔分布)を変化させた。気孔特性が変化していることは、アルキメデス法により定性的には確認しているが、定量評価は全測定終了後(来年度)実施する予定である。次に「超音波散乱法の計測システム」の状況について述べる。粉未試料内の気孔寸法は、20〜40μm程度であるため、超音波の散乱強度は著しく弱く、通常の方法では雑音との分離は不可能である。この分離法の確立が本年度の研究における最大の課題である。本年度購入した『プロセシング・オシロスコープ』を中心とする計測システムを組立て、改良、検討を重ねた結果、十分なS/N比が得られる計測システムを開発ることができた。これは、今回購入した『プロセシング・オシロスコープ』が、分解能10bitと通常のものの4倍であることと、高速アベレージング機構を有するため、雑音レベルを十分白色化できたことに起因する。完成させたシステムと先の試料による予備的検討の結果、散乱状態を示すCRT画面上の出力波形は、気孔からの超音波散乱分布に伝播距離による減衰が重畳した複雑なものであり、解析のためコンピュータの導入が不可欠であることがわかった。そこで現在、現有のコンピュータと先の計測システムの接続を試みているが、データ転送用ソフトが完成してることより、この接続も本年度中には完了する見通しである。
|