1986 Fiscal Year Annual Research Report
原子結合制御理念に基づく靭性に富む金属間化合物の創製
Project/Area Number |
61460203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和泉 修 東北大, 金属材料研究所, 教授 (30005839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高杉 隆幸 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20108567)
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Keywords | 金属間化合物 / 耐熱材料 / 粒界構造 / 格子欠陥 / 高温変形 / 破壊 / 【Ni_3】Al / 【Co_3】Ti |
Research Abstract |
1)構造解析と合金設計 【Ni_3】Al(【Ll_2】型)にMnとFe原子を合金化した時、さらにはBとCとBe原子を微量添加した時の結晶構造をX線回折法より観察しそれらの占有位置と【Ll_2】構造の安定性を長範囲規則度を求め結合論的・エネルギー論的に考察した。単純立方超格子を組む構造中の超格子転位について計算機実験を行った。その結果金属あるいは合金とは異なる特異な転位構造と運動特性を見い出した。【L2_0】と【Ll_2】型構造のねじり成分からなる結晶粒界構造について幾何学的解析を試みいくつかの特徴的性質について検討した。この様な金属間化合物の結晶構造と相安定性、さらにはこれに含まれる転位や結晶粒界等の格子欠陥についての構造論的結合論的考察より以下に列挙する数多くの靭性に富みかつ高温強度特性が優れた合金系が提案され検証された。 2)機械的性質の解明 MnとFeの置換型原子は【Ni_3】Alの持つ優れた高温強度を損う事なく延性能をもたらした。BとCの侵入型原子は著しく【Ni_3】Alを強化し、Be軽原子はBと同様【Ni_3】Alを延性化するのを見い出した。一方、H原子は延性能を具備する【Ll_2】型化合物について大なり小なり脆化させる事を見い出し、その機構について追求した。【(Ni,Fe,Co)_3】Ti化合物は【Co_3】Tiの持つ優れた延性能と高温強度を失う事なく、むしろ2〜3倍の強化がなされた。これはCo量低減による安価な実用材料としての展望を拓いた。一方、【L2_0】型CoTi化合物については、この結晶型では始めて、強度の逆温度依存性が発現する事を見い出した。さらに充分に圧縮変形が可能である事を示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Takasugi: Acta Metallurgica. 35. 823-833 (1987)
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[Publications] T.Takasugi: Acta Metallurgica. 35. (1987)
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[Publications] N.Masahashi: Journal of Materials Science. (1987)
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[Publications] Y.Liu: Philosophical Magazine.
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[Publications] T.Takasugi: Physica status Solidi(a).