1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海田 能宏 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (00026452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 紹裕 京都大学, 農学部, 助手 (50175105)
丸山 利輔 京都大学, 農学部, 教授 (90026451)
内田 晴夫 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (10168700)
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (10026619)
高谷 好一 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90027582)
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Keywords | 東南アジア / 灌漑様式 / 水文環境に対する農学的適応 / 農業生態 / 作付体系 |
Research Abstract |
資料収集について 1.インドネシアについては、ジャワの中小流域を中心として、水文・流域管理に関する文献にまで手をひろげて、約100点を収集した。2.別件により現地調査を継続中のバングラデシュについては、地域・農村開発に関する重要な文献約50点を追加し、かつ昨年に引続きデルタ開拓に関する古文書等を系統的に集めた。3.台湾における高度の集約的土地利用を支える輪流灌漑に関する文献をいくつか収集した。4.わが国の文献については、水利史、水利と文化史、景観計画に関するものを集めるべく努力した。 分析について 1.ジャワにおける水文の特性と、中小流域の管理に関する基本資料を整理し、用いられる水文モデルについてまとめた。2.バングラデシュのデルタ開拓史研究の一部として、ヨミラ地方の古文書をまとめ、詳細な分類と索引を付して、出版準備を了えた(関連研究)。3.バングラデシュの4つの異なる農業生態区を対象として、地形区、微地形要素、水文、土地利用、ならびに特徴的な灌漑方法とその近年における変容について整理した。4.バングラデシュの灌漑様式の特徴であるdeep tubewell灌漑の灌漑組織の史的発展をあとづけ、近年の灌漑システムの私的所有化における問題点を分析した。 今後の研究の展開 京大東南アジア研究センターの学風ならびに本研究への参加者の研究態度により、「東南アジア灌漑資料集成」と名づけた研究にもかかわらず、現地の体験と観察にもとづいて灌漑の諸問題を体系化しようとする姿勢が表に出て、文献を丹念に読み解く努力はややおろそかにされた。いま少し時間をかけ、「資料作成」作業を続けてゆくことにしたい。
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[Publications] 海田能宏、 丸山利輔 他 共著: "新編灌漑排水下巻(第12章世界の灌漑排水)" 養賢堂, 291-337 (1988)
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[Publications] 海田能宏(日大農獣医学部国際地域研究所編): "グリーンレボリューションの20年(灌漑とアジアの稲作)" 龍渓書舎日大農獣医学部・国際地域研究所叢書1, 31-50 (1987)