1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61460227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 秀郎 名大, 工学部, 助教授 (40005517)
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Keywords | 電磁波 / モード変換 / 正常波 / 異常波 / バーンシュタイン波 / 高域混成共鳴 / 電子サイクロトロン加熱 / レィトレーシング |
Research Abstract |
電子サイクロトロン周波数帯の電磁波のモード変換現象の一つである、正常波から異常波への変換,さらに異常波からバーンシュタイン波への変換を基礎実験的に詳細に調べることを目的に研究を行ってきた。 このモード変換を観測するには高密度の太いプラズマが必要であり、またモード変換の効率はプラズマ密度の勾配によって大きく変わる。そこで今年度は、まずプラズマ発生法の改良から始めた。すなわち、外部から陰極温度分布を変えて自由に密度分布を制御できる新しい型の酸化物陰極(50cm×30cm)を開発した。これを用いて、磁場中のパルス放電で5×【10^(18)】【m^(-3)】,Te=5eV,長さ2.5mの太いプラズマを生成し、その径方向の分布をかなり大幅に制御できるようになった。また、磁場に対する入射角をその場で変えて、大電力マイクロ波を入射できるようにアンテナ系を改良した。 以上の改良のもとに、9GHzのマイクロ波を磁場に対して斜めに入射し、ダイポールアンテナで電磁波を受信し、その振幅と位相の二次元分布を測定した。送信アンテナの角度を変えたり、プラズマ密度を変えたりして測定した波のパターンは、レィトレーシング計算による波の軌跡と良く一致した。 次に、パルス幅3μsec,10kW程度の大電力マイクロ波を入射した所、電子加熱が観測された。電子温度の上昇は入射パワーに正比例しており、パラメトリック等の非線形効果ではなく、線形モード変換に起因する加熱と考えられる。この加熱は高域混成波共鳴層の所に局在して観測された。この事は、正常波からのモード変換で発生した異常波が、高域混成共鳴点でバーンシュタイン波に変換して加熱が起ったと理解される。プラズマ密度を変化させた実験から、この電子加熱は臨界密度(Wp=Wとなる密度)を越えるあたりから起こることが解った。この事実もモード変換による加熱を裏付けている。今後、さらに詳細な実験を行いたい。
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Research Products
(1 results)