1987 Fiscal Year Annual Research Report
FisherーTropsch反応におけるアルカリ添加物の機能の理論的研究
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61470002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
舘脇 洋 北海道大学, 触媒研究所, 助手 (20002115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝 北海道大学, 触媒研究所, 教授 (50001706)
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Keywords | 金属銅 / Na / 吸着 / クラスター・モデル / EELS |
Research Abstract |
a)CunーNa系で得られた新たな知見 62年度当初の計画にはなかったのだが,LindgrenとWallenの実験したNaを銅表面に吸着させた時のElectron Energy Loss Spectra(EELS)の結果に引かれ,これの理論的解析を試みた. 彼等はNaを吸着させた時,ごく吸着率の低いところ(θ=0.015)ではEELSのPeaK値は3.2eV,吸着率を上げるとそれは2.3eVに移行する事を示した. 理論計算の結果,このEELSは,Naの3S,3Pから主に構成されている空軌道に金属銅の4S電子が励起するか,あるいは3d電子が励起すると結論した. 又吸着率が高くなるに連れて励起エネルギーが減少するのは,Naの電子が金属に流れこみ,金属の4S,3d準位が不安定化するためと結論した. なおここでの理論計算にはモデル系としてNaーCu_3をとり,dーd間,Sーd間,SーS間の電子相関を考慮した配置間相互作用計算をしており,dーd電子間の電子相関が重要である事が見いだされた. EELSに関して出された上記の結論は最近出版されたArga,Tochihara,MarataのKの銅上への吸着とも良い対応をしている. b)Cu_nーNa_2系で得られた新たな知見 Cu_7ーNa_2のSCF計算を行なったが,非常に多くのエネルギー的に近接した状態が存在するのを見い出した. きちんとした結論をだすには配置間相互作用計算が必要となる. しかし配置間相互作用計算を行なうにはCu_7ーNa_2は余りに大きすぎるので,Cu_4ーNa_2系をとり上げ,Cu_7上で2個のNa原子は,Na_2として吸着しているのか,あるいは2個のNa原子として吸着しているのかを調べる手はじめとしている.
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Research Products
(1 results)