1987 Fiscal Year Annual Research Report
自由エネルギー解析による固体表面のキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
61470005
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
堤 和男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00013178)
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Keywords | 表面自由エネルギー / テンシオメトリー / インバースガスクロマトグラフィー / ガラス繊維 / 炭素繊維 |
Research Abstract |
研究目的 固体表面のキャラクタリゼーションの一手法としての表面自由エネルギーの解析方法の確立を目的とする. 固一液,固一気界面自由エネルギーをテンシオメトリーおよびインバースガスクロマトグラフィーの手法を発展させて解析し,表面的由エネルギーとその分散成分,極性成分を分離して熱力学的に尊出する方法を確立する. 又, 各種の物理的および化学的処理を固体に対して行い, その表面自由エネルギーへの効果を行らかにする. 研究概要 昨年度,本研究により作製したテンシオメトリーおよびインバースガスクロマトグラフにより,ガラス繊維,炭素繊維およびそれらの表面処理試料の解析を行った. ガラス繊維については,各種シランカップリング剤処理を行って,テンシオメトリーにより繊維の表面自由エネルギーの分散成分と極性成分を張力測定により解析した. 処理剤の種類による差異は, 分散成分には現われないが, 極性成分には処理剤の有す官能基に応じて顕著な効果が示された. 分散成分の結果は,前年度のインバースガスクロマトグラフィーによる結果と良い一致を示している. 炭素繊維については,炭化温度,酸化処理,還元処理,およびプラズマ処理を行ない,主としてテンシオメトリーにより解析した. これらの処理は,すべて繊維の極性成分に顕著に示され,炭化および還元による非極性化, 酸化による極性化が定量的に明らかになった. 極性成分は,同試料によるX線光電子分は,同試料によるX線光電子分光法による解析から,含酸素官能基に由来していることが明らかになった. 四弗化炭素/酸素混合気体によるプラズマ処理を行うと, その組成比により表面の弗素化又は酸化が起った. 前者では,テフロン類似の表面も得られ,表面自由エネルギーの分散成分は20mJ/m^2以下にもなり,極性成分は零になった. 炭素繊維の表面自由エネルギーを基にしてエポキシ樹脂との熱力学的な付着化事を求めると,実際の複合系の強度と良く相関した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Tsutsumi et al: Colloid and Polymer Science.
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[Publications] K.Tsutsumi et al: Colloid and Polymer Science.
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[Publications] K.Tsutsumi et al: 6th International Conference on Surface and Colloid Scence. 5C02. (1988)