1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笛野 高之 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 兆 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80029537)
奥山 格 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029484)
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Keywords | イミノラジカルNH(^1△) / 1,3ージラジカル / 挿入反応 / H原子引抜き反応 / 1,2ー水素移動反応 / 反応経路 / 遷移状態 / エネルギー障壁 |
Research Abstract |
1.NH(^1△)とイソブタンとの反応(実験と理論) NH(^1△)がエタンやプロパンに対して挿入反応とH原子引抜き反応を起こすことは既報のとおりである. SF.ナ_<6.ニ>中でのイソブタンとの反応(気相) NH(^1△)+(CH.ナ_<3.ニ>).ナ_<3.ニ>CH→(CH.ナ_<3.ニ>).ナ_<2.ニ>CHCH.ナ_<2.ニ>NH.ナ_<2.ニ>,(CH.ナ_<3.ニ>).ナ_<3.ニ>CNH.ナ_<2.ニ> (1a) →(CH.ナ_<3.ニ>).ナ_<2.ニ>CHCH.ナ_<2.ニ>・(CH.ナ_<3.ニ>).ナ_<3.ニ>C・+NH.ナ_<2.ニ> (1b)における挿入反応(1a)の生成物アミン(1級と3級)ならびに引抜き反応(1b)による生成ラジカル(1級と3級)の定量を行い,分岐比を求めたところ,反応(1a)は0.69(1級0.56,3級0.13),反応(1b)は0.24(1級0.10,3級0.14)であった. 残りの0.07はNH(^3Σ^-)への失活によるのと思われる. 1個のCーH結合あたりの反応性を見ると,3級/1級の結合選択比は, (1a)では2.1にすぎないが,(1b)では12.5にも及ぶ. プロパンの場合の2級/1級選択比1.5および7.5と合わせて考えると,(1a)は本質的に衝突律速反応であること,(1b)は低エネルギー障害の活性化律速であることが結論できる, エタンの反応についるエネルギー障壁をab initio分子軌道計算したところ,△E^≠=4.5kcal/molであった. 2.ジラジカルCH.ナ_<2.ニ>CH.ナ_<2.ニ>NHの単分子反応経路(理論) エチレンにNHが付加して生成する1,3ージラジカルCH.ナ_<2.ニ>CH.ナ_<2.ニ>NHは,異性化と結合切断を経て,最終的にはHCNとCH.ナ_<3.ニ>CN(ほぼ1:1)にいたる. 生成物の直接前駆体としてのCH.ナ_<3.ニ>CH=N・の生成行程を多数に想定して,まずSCF計算によってそれらの経路を追跡し,次いで,エネルギー変化と障壁高さとを大規模CI計算によって求め,反応の全貌を解明することを完了した. 最も有利なのは,1重項ジラジカルの1,2ーH移動(△E^≠7.1kcal/mol)を含む経路 CH.ナ_<2.ニ>CH.ナ_<2.ニ>NH(^1FF)→CH.ナ_<3.ニ>CH=NH 〓 CH.ナ_<3.ニ>CH=N・ (2)であると結論できる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takayuki FUENO: Chen.Lett.1641-1644 (1987)
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[Publications] Takayuki FUENO: Theoret.chim.Acta. (1988)
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[Publications] Takayuki FUENO: J.Mol.Struct.(1988)
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[Publications] Tadashi OKUYAMA: J.Org,Chen.52. 1405-1408 (1987)
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[Publications] Kizashi YAMAGUCHI: Jpn.J,Appl.Phys.26. L1362-L1364 (1987)