1986 Fiscal Year Annual Research Report
熱分解反応による新化合物の生成と化学反応機構の研究
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61470017
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大橋 修 上智大, 理工学部, 助教授 (80053627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒泉 武志 上智大学, 理工学部, 助手 (20053671)
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Keywords | 熱分解反応 / 反応機構 / 質量スペクトル / 回転スペクトル / マイクロ波スペクトル / 不安定分子 |
Research Abstract |
1. 5-メチル-1H-ベンゾトリアゾールと4-メキル-1H-ベンゾトリアゾールの熱分解生成物を、反応管を直接連結した四重極型質量分析装置で調べたところ、いづれの親分子の場合も熱分解温度580℃ではM/Z105(【C_7】【H_7】N)の化合物が、熱分解温度800℃ではM/Z103(【C_7】【H_5】N)とM/Z91(【C_6】【H_5】N)の化合物が生成することが判った。熱分解温度800℃で得られるM/Z91のピークはベンゾトリアゾールを800℃で熱分解して得られるピークM/Z91とまったく一致する。 2.分子構造についての知見を得るために、反応管を直接アイクロ波分光装置に連結して、熱分解生成物の回転スペクトルを観測し、その解析を行った。その結果、(1) 580℃で熱分解したとき得られるM/Z105の化合物の一部として、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾールからはとの構造の二つの分子が、4-メチル-1H-ベンゾトリアゾールからは の構造の一つの分子が見い出された。 (2) 800℃で熱分解したとき得られるM/Z103の化合物は、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾールと4-メチル-1H-ベンゾトリアゾールのいずれの場合もベンゾニトリルであることが判った。これはベンゾニトリルのマイクロ波スペクトルとの比較からも確認され、熱分解反応で五員環分子から六員環分子ができるという極めて興味ある結果を得た。 (3) 800℃の熱分解で得られるもう一つのM/Z91のピークに対応する化合物は、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾールと4-メチル-1H-ベンゾトリアゾールの両方とも、の構造の二つの分子であることが判った。これら二つの構造の分子は、ベンゾトリアゾールを800℃で熱分解することによっても生成することが、四重極型質量分析計およびマイクロ波分光法により確かめられている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takeshi SAKAIZUMI: Bull.Chem.Soc.Japan.59. 1614-1616 (1986)
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[Publications] Takeshi SAKAIZUMI: Bull.Chem.Soc.Japan.59. 3791-3795 (1986)
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[Publications] Takeshi SKAIZUMI: Bull.Chem.Soc.Japan,to be published.
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[Publications] Takeshi SAKAIZUMI: Bull.Chem.Soc.Japan,to be published.
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[Publications] Takeshi SAKAIZUMI: Bull.Chem.Soc.Japan,to be published.