1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470025
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加治 有恒 京大, 理学部, 教授 (10025223)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 昇 京都大学, 理学部, 助教授 (40093215)
田中 和彦 京都大学, 理学部, 助手 (00025446)
谷利 陸平 京都大学, 理学部, 助教授 (60025377)
|
Keywords | フランのアルキル化 / ニトロフラン / イースト還元 / ケトンの不斉還元 / ジアニオン / メタクリル酸アニリド / アセチレンのシントン / ニトロアルケン |
Research Abstract |
1.芳香環上のニトロ基の置換反応:5-ニトロフラン-2-カルボン酸メチルに2-ニトロプロパンのアニオンを与えると4位に1-メチル-1-ニトロエチル基が入り、5位のニトロ基が消去された。(収率63%)4位の側鎖上のニトロ基はトリブチルスタナンにより容易に消去できた。この方法によりフラン-2-カルボン酸の4位を一般的にアルキル化できる方法が開かれたことになる。2.高効率な光学活性中心の合成法:1-クロロ-3-フェニルスルホニルアセトンをパン酵母で還元すれば容易にe.e.100%のR型アルコールが得られたが、これを直接にグリニアール試薬でアルキル化することは不成功であった。そこで、酸化銀でエポキシ体に変えたのちアルキル化することにより所期の目的を達した。このβ-スルホニルアルコールはジアニオンにできるのでα位に種々の誘導が可能である。 3.不飽和共役カルボニルのβ位への親電子付加に相当する反応の開発:次の例に成功した。即ち、2-フェニルスルホニルメチルプロペン酸アニリドは安定なジアニオンを生じた。これにハロゲン化アルキル又はアルデヒドを与えるとスルホニル基のα位がアルキル化又はアルドール化された。これに水素化ホウ素ナトリウムを加えると3位のメチレン基をヒドリドイオンが攻撃してSN2′型にスルホン基が脱離して予期したβ-置換プロペン酸アニリドを高収率で得ることができた。 4.ヘッド/テイル配向を完全に制御したアルキンのDiels-Alder付加に相当する反応は2-ニトロ-1-フェニルスルホニル-1-アルケンを用いて成功した。即ちこのものに2-メチルブタジエンを付加させると、ニトロ基をもつ炭素はブタジエンの1位へ完全に配向する。これをトリブチルスタナンで処理すると、ニトロ基とフェニルスルホニル基が同時に脱離して1-メチル-2-アルキルシクロヘキサジエンが得られた。収率65%
|
-
[Publications] Noboru Ono: Synthesis. (1987)
-
[Publications] Rikuhei,Tanikaga: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.836-837 (1986)
-
[Publications] 田中和彦: 日本化学会誌. N .7, (1987)
-
[Publications] Noboru,Ono: J.Org.Chem.51. 2140-2142 (1986)
-
[Publications] Noboru,Ono: Tetrahedron Letters. 27. 1595-1598 (1986)