1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470029
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白浜 晴久 北海道大学, 理学部, 助教授 (00000802)
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Keywords | アクロメリン酸(A)の合成の合成 / アクロメリン酸(B)の合成 / ピリジン環の新合成法 / α-ピリドンの新合成法 |
Research Abstract |
アクロメリン酸A(1),B(2)をカイニン酸から合成した。【3!〜】のNH基をBocで保護し、さらにカルボニル基をアルコールに還元してDMTBS化し、保護した。二重結合をmCPBAで酸化してエポキシドとし、テトラメチルピペリジンリチウムで開環して得られるアリルアルコールをさらに酸化してαβ不飽和アルデヒド【4!〜】とした。【4!〜】にフェニルチオールをミハイル付加させて得た【5!〜】のアルデヒド基にアセトニルホスホネート/BuLi処理して炭素3個を増し、αβ不飽和ケトン【6!〜】とした。【6!〜】のスルフィド基をスルホキシドに変へ、プンメラー反応後アンモニア・メタノールで処理するとα-メチルピリジン体【7!〜】が得られた。【7!〜】のメチル基を二酸化セレンでカルボン酸とし、アルコールの保護基を除き、今度はPDC/PMFで酸化して元のカルボン酸を再生した。エステルとして得たトリカルボン酸をmCPBAでN-オキシドとし、トリフロロ酢酸無水物/DMF中で処理してピリドン【8!〜】に転位させた。【8!〜】の保護基をすべて除くと【1!〜】が得られ、得られたものは天然のアクロメリン酸Aとすべての点で一致した。 次にアクロメリン酸B(2)の合成は【1!〜】の合成の中間体【5!〜】から出発した。【5!〜】のアルデヒド基にジェチル-エトキシカルボニルメチルホスホネート アニオンを反応させ、次いでDIBAH還元を行い炭素2個多いアリルアルコール【9!〜】とした。【9!〜】のスルフィドを酸化してスルホキシドとし、トリフロロ酢酸無水物でプンメラー転位を行い、炭酸ソーダ処理をすると、スルフィド基が除かれてアルデヒド基が現れると同時に前段で生じたアルコールが脱水を起し、αβγδ不飽和アルデヒド【10!〜】を与えた。【10!〜】の共役系にフェニルチオールを1.6付加させた後、メチル化次いで酸化してメチルケトン【11!〜】とした。以下【1!〜】の合成と同様にしてプンメラー転位、アンモニア処理でピリジン環を作り、酢化して【2!〜】を合成した。これらの合成に用いられたピリジン核の合成法とピリドン環の形成法は一般的新合成法として報告した。
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[Publications] 紺野勝弘,橋本貴美子,大船泰史,白浜晴久,松本毅: Tetrahedron Letters. 27. 607-610 (1986)
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[Publications] 紺野勝弘,橋本貴美子,白浜晴久,松本毅: Tetrahedron Letters. 27. 3865-3868 (1986)
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[Publications] 橋本貴美子,紺野勝弘,白浜晴久,松本毅: Chemistry Letters. 1399-1400 (1986)
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[Publications] 紺野勝弘,橋本貴美子,白浜晴久,松本毅: Heterocycles. 24. 2169-2172 (1986)