1986 Fiscal Year Annual Research Report
原子スペクトルメトリーによる天然水中の超微量元素の定量に関する基礎的研究
Project/Area Number |
61470033
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
厚谷 郁夫 北見工大, 工学部, 教授 (70005908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 好二 北見工業大学, 工学部, 助手 (40110639)
赤塚 邦彦 北見工業大学, 工学部, 助教授 (50003182)
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Keywords | 原子吸光分析 / ICP発光分光分析 / ミニチュアカップ / 粉末試料の直接定量 / オキシン-マグネシウム共沈 / ジメチルグリオキシム-ニッケル共沈 / 1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール / ジチゾン |
Research Abstract |
原子吸光分析法あるいはICP発光分光分析法によって天然水中の超微量元素の定量を可能にするため、我々の開発したMiniature-cupを用いる固体粉末試料の直接定量法に合致した前濃縮法についての基礎的検討を行った。すなわち超微量元素の捕集が可能であり、直接定量に供しうる粉末試料の調製にはオキシン-マグネシウム系共沈あるいはジメチルグリオキシム-ニッケル-1-(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール(PAN)系共沈が最適であることが明らかになった。その研究成果の概要を次に列記する。 1)原子吸光分析法あるいはICP発光分光分析法による固体粉末試料の直接定量が可能となったため、溶液試料中の超微量元素を捕集する共沈系に関する基礎的検討を行った結果、オキシン-マグネシウム系では濃縮係数8000、ジメチルグリオキシム-ニッケル系にPANあるいはジチゾンなどのキレート剤を添加した場合は濃縮係数18000で、銅,マンガン,鉛,アルミニウムなどの回収率は95〜100%となることが明らかになった。 2)濃縮条件に関する検討を行った結果、オキシン-マグネシウム系ではpH8〜10で銅,マンガン,アルミニウムなど回収率100%で共沈可能であり、海水へ応用する場合はマグネシウムの添加も不必要であった。 ジメチルグリオキシム-ニッケル系ではpH5〜11で沈澱生成するが超微量元素の回収率は30%以下と小さい。しかし、元素によって異なるがPANあるいはジチゾンなどを添加し、pH8〜10に調整するならば95〜100%の回収率が得られた。従って、前者は多元素同時共沈、後者は添加するキレート剤の選択によって、選択的共沈が可能である。 3)本法を摩周湖水あるいは海水へ応用した場合、sub-ppbあるいはpptレベルの分折が可能となった。またマトリックスが均一で、同一の化学種を測定できるので精度も著しく向上した。
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[Publications] 厚谷郁夫: "分離機能とセンシング機能の化学"セミナー. 7-10 (1987)
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[Publications] 伊藤好二,厚谷郁夫: 分析化学.
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[Publications] K.Akatsuka;I.Atsuya: Anal.Chim.Acta,.
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[Publications] K.Akatsuka;I.Atsuya: Anal.Chem.,.
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[Publications] 伊藤好二,厚谷郁夫: 分析化学.
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[Publications] I.Atsuya;K.Itoh: Z.Anal.Chem.