1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470046
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
神田 精一 徳島大学, 工学部, 教授 (00035586)
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Keywords | 中圧水素 / ハイドライド / 銅錯体 / アンミン錯塩 |
Research Abstract |
本年度の研究は, 固体の銅錯体に対する中圧水素の反応と, 溶液状態の銅錯体を触媒とする中圧水素の還元反応に分類出来る. 以下第1部・第2部と称ぶことにする. 1.第1部の実験は次の通りの成果を挙げることが出来た. 反応容器(ステンレス製)の耐圧は20気圧である. 固体の銅塩として昭61年度の硫酸銅に続き, 代表的錯塩としてテトラアンミン銅硫酸塩を抉んだ. 以下[Cu(NH_3)_4]SO_4・1H_2Oと化学式で表示するか, 単にアンミン錯塩と畧称する. 約400mgのアンミン錯塩を, 濃硫酸約4gと共に耐圧容器に密閉し, 耐圧バルブより眞空ポンプで減圧して空気を除いて後21気圧まで水素を導入し, バルブを閉じて, 80℃の油浴に浸して35日間保つた. スペースの関係で実測値を記すことは出来ないが, 主要な変化は, 硫酸容器の内外壁ならびに, アンミン錯塩容器に白色固体の反応生成物がみとめられた(約70mg). 濃硫酸は重量増加であるが, しばしば結晶を毛細管のかわりにして濃硫酸が管壁を這上り容器外壁に流れ出るため秤量出来ないため「不明量の増加」とする. 濃紺色の原料アンミン錯体は黒色の粉末に変化した. 前記の如く35日の反応期を設けたのは, 何度もの予備実験で, 反応不完全であるため, 原料と生成物の混合物しか得られず, 定量的結論が下せなかったためである. 銅塩の重量は明らかに減っている(約86mg). この黒色物質の化学分析および構造研究は目下進行中であるが, アンミン錯体は残って居ない. X線回折と赤外吸収も合せて考察すると, 銅のジアンミン錯体にはまちがいがなく, おそらく2原子のHが吸収されて, ハイドライドが生成しているとすると, 水素圧の減少も説明出来る. たづこの種の反応は全く前例がないようであるので結論を下すには引続き解析を続ける. 又窒素等他の気体の効果もみる. 2.第2部も六価クロムの水素還元を実施
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