1986 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー密度を有するNa/S(IV)溶融塩電池に関する基礎研究
Project/Area Number |
61470053
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
嶋影 和宜 室工大, 工学部, 助教授 (70005346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 辰彦 東北大学, 工学部, 教授 (80005206)
片山 博 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90002881)
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Keywords | エネルギー密度 / 二次電池 / 溶融塩 / 充電放電 / 固体電解質 / 【Na^+】イオン伝導性 / β"-アルミナ |
Research Abstract |
エネルギー貯蔵および電気自動車の動力源用に新二次電池の開発が強く望まれ、各国でその基礎研究が盛んに行われている。β-アルミナ固体電解質セラミックスを隔膜に用いるNa/β-alumina/S(iv)in【AICl_3】-NaCl mel+二次電池もその一つで、この電池は溶融塩電池としては180°〜250℃の比較的低温で作動する。本研究ではこの電池の製作と特性について検討を行った。 セルはステンレス鋼で製作し、固体電解質にはカナダ、米国から輸入したβ-アルミナ,β"-アルミナを使用した。電解質の内側には正極活物質である元素状SとAl【Cl_3】-Nacl(498-50.2mol%)混合溶融塩,外側に金属Naを装入して使用した。集電子にはWメッシュを用いた。実験はセルを電気炉中に保持し、正極,負極を充放電装置に連結して、充放電を繰り返し、その時の起電力を記録計を用いて測定した。 測定した充放電曲線から次のようなことが判明した。充電過程ではいずれの電流密度においても、閉路電圧は時間の経過とともに漸次増加し、充電終期で急激に増大した。一方放電過程では電圧が一定となる二つの領域が認められ,電池反応に対応した起電力が得られた。また充放電曲線から解析されるエネルギー効率,利用率,エネルギー密度は低電流密度の充放電ほど高い値が得られた。 β-アルミナおよびβ"-アルミナ固体電解質セラミックスをそれぞれ用いてセルを構成した電池の特性を比較すると、充放電曲線の挙動には差が認められなかったが、放電過程における電気容量はβ"-アルミナ固体電解質を隔膜に用いて製作したセルの方が極めて高い値が得られた。これは用いた固体電解質の【Na^+】イオンの電導性の差によるものと推察され、この電池のセルの特性は固体電解質セラミックスに大きく依存することが判明した。
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Research Products
(1 results)