1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470055
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 和弘 東京工大, 工学部, 助教授 (70016260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須佐 匡裕 東京工業大学, 工学部, 助手 (90187691)
永田 和宏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70114882)
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Keywords | MOS / 薄膜 / 蒸発 / 蒸着 / RFスパッタ / 比誘電率 / 界面反応 / 拡散 |
Research Abstract |
MOS・ICに代表される電子デバイス材料の多くは、薄膜状態でもちいられている。薄膜については、それ自体の物性に非常に重要性が認められるが、その作製過程や薄膜間の界面反応なども重要な研究対象であると考えられる。そこで、本研究は「薄膜作製過程の物理化学的研究と膜の評価」および「金属一酸化物間の界面反応」という具体的なテーマの下で進めている。 本年度は主に次の四点について研究を行った。 (イ)超イオン伝導体である【Li_2】O-【B_2】【O_3】系酸化物の薄膜を真空蒸着法で形成し、その蒸発・蒸着過程、特に蒸発分子種の形態について研究する。(2)(イ)で作製した薄膜の電気的特性(比誘電率)を測定する。(3)非晶質Si【O_2】と金属間の界面反応を研究する。(4)設備として購入したRFスパッタ装置の基本的な立上げを行なう。以上の四点についてその研究実積を以下に順番に報告する。(イ)【Li_2】O-【B_2】【O_3】薄膜の組成は基板温度に非常に強く影響されるが、蒸発源温度や蒸発源組成にはほとんど依存しない。また、蒸着速度は基板温度の低下とともに増大する。さらに、この系の蒸発分子種は【(LiBO-2)-m】のようなクラスターであると推定される。(2)【Li_2】O【B_2】【O_3】薄膜は非常に多孔質であるため、電極間がリーキーであるので、通常の容量測定法では比誘電率の測定は困難である。そこで【Li_2】O-【B_2】【O_3】膜とスパッタ蒸着したSi【O_2】膜の2層構造の薄膜の両側に電極を形成し、測定した。【Li_2】O【B_2】【O_3】膜の見かけの比誘電率は2〜8であった。(3)a-Si【O_2】と金属の接合界面の拡散挙動を調べた。金属がNi,Co,Feの場合は、a-Si【O_2】側に金属酸化物の濃度分布が観測されたが、Cuの場合は金属側に【Cu_2】Oの濃度分布が存在していた。(4)RFスパッタ装置で、-Si【O_2】とITOの蒸着が可能となり、基本的な立上げは終了した。他の酸化物や窒化物などについても今後立上げを行う。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] L.W.Zhang;M.Kobayashi;K.S.Goto: SOLID STATE IONICS. 18&19. 741-746 (1986)
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[Publications] L.W.Zhang;M.Yahagi;K.S.Goto: SOLID STATE IONICS. 18&19. 1163-1169 (1986)
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[Publications] 張力偉,須佐匡裕,後藤和弘: 日本金属学会誌.