1986 Fiscal Year Annual Research Report
クヌーゼンセル質量分析計によるイオン強度熱分析法の開発と二,三の合金の熱分析
Project/Area Number |
61470057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一瀬 英爾 京大, 工学部, 教授 (10025918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 幸富 京都大学, 工学部, 助手 (80111920)
諸岡 明 京都大学, 工学部, 講師 (20026008)
岩瀬 正則 京都大学, 工学部, 助教授 (00026329)
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Keywords | クヌーゼンセル質量分析計 / イオン強度熱分析 / 活量測定 |
Research Abstract |
(1)質量分析計を備えた高真空クヌーゼンセル加熱炉室を設計・製作した。 質量分析計には四重極型マスフィルター(日本真空技術(株)製MSQ-400)を使用した。主として金属、合金が測定の対象である本研究に対しては充分な分解能を有し、また測定質量数の切り換えが容易なため多成分系試料の測定が容易であるなどの所期の性能を有していることが明かとなった。 加熱炉体を、クヌーゼンセル室とイオン源室の二室に分け、二系列の油拡散ポンプおよび油回転ポンプの排気系で差動排気することにより、イオン源室は【10^(-6)】〜【10^(-7)】mmHgの真空度に到達した。これはマスフィルター動作のため充分な真空度である。クヌーゼンセル室の真空度は加熱温度によって異なるが【10^(-5)】〜【10^(-6)】mmHgの真空度が得られた。 (2)クヌーゼンセルの加熱方式の検討を行っている。抵抗輻射型加熱法により約1820Kまで昇温可能なことが明かとなったが、これ以上の温度に長時間保持すると加熱素子が変形することが判ったので対策を検討中である。直接抵抗加熱法も検討中である。 (3)Cr-Co-Ni系三元合金の熱力学的研究を行った。すなわち、各種組成の溶融合金からのCr,Co,Niイオン強度を1723〜1843Kの温度範囲で測定し、イオン強度比-Gibbs Duhem法により各成分の活量を求めた。三元系内の活量は、各二元系の実測値から、正則溶液を仮定して求めた推測値にほぼ一致することが判った。その結果を日本金属学会第99回講演大会で発表した。日本金属学会第99回講演大会予稿P.197(1986.10)
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