1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四ツ柳 隆夫 東北大, 工学部, 教授 (00001199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小尾 英樹 東北大学, 工学部応用化学科, 助手
星野 仁 東北大学, 工学部応用化学科, 講師 (20124620)
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Keywords | イオン対吸着 / 2,2'ージヒドロキシアゾベンゼン / クリスタルバイオレット / アルミニウム / 鉄 / 吸光光度法 / 目視比色法 / PVCフィルム |
Research Abstract |
透明なポリマーフィルムを溶媒の代りに用いて、従来の抽出法を発展させた微量金属成分の新しい分離定量法を開発し、可塑剤を含有する軟質ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムを第2相とするイオン対吸着フィルム比色法方式によって、ppbレベルの微量金属成分の簡便な定量法を確立した。本系に適合するシステムとして、呈色キレート試薬2,2'ージヒドロキシアゾベンゼン(DHAB)、色素対カチオンクリスタルバイオレット(C【V^+】、および可塑剤フタル酸ジーnーオクチル(DOP;PVC担体によって固体化した有機溶媒とみなされる)を各々選択し、目的イオン対のフィルム相への分配条件の最適化とフィルム作製方法の検討とを行った。その結果、アルミニウムまたは鉄のDHAB錯体【〔M^(III)L_2〕^ー】がC【V^+】とイオン対を形成してPVCフィルム上に表面吸着する際の高倍率濃縮と、色素対カチオンの大きなモル吸光係数を利用するラベリング効果とによって、目視比色・吸光光度法いずれによってもppbレベルの高感度定量が可能な簡易定量法を確立し、当初の目的を達成した。アルミニウムの場合は、PPbレベルにおける定量(定量下限;目視法で5ppb.吸光光度法で3ppb)の他、三色性(試薬の黄、錯体の赤、対カチオンの青紫)に基づく4段階変色(カーキ→あずき→青紫→無色)を利用してppb〜ppmの広範囲で濃度レベルの目視判定が容易に行える。本法を水道水中アルミニウムの定量に応用して良好な結果を得た。同様に、鉄の場合にもppbレベルの定量(定量下限;目視法で4ppb、吸光光度法で0.6ppb)と段階変色(鉄では、錯体が黄色であるために二色混色系となり、変色は黄→緑→青紫)による判定ができる。本法を血清鉄の直接定量へ応用した結果、試料溶液の着色や粒子状物質・高分子等の妨害を受けず、高い実用性と利点を有することが判明した。透明フィルム使用のため、分相と吸光度測定の操作は極めて簡便であり、着色の長期保存性も高い。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Kaneko;H.Tanno;T.Yotsuyanagi: 3rd JapanーUSSR Joint Symposium on Analytical chem.,Proceeding. 1-12 (1986)
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[Publications] H.Tanno;E.Kaneko;T.Yotsuyanagi: Analytical Letters.
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[Publications] E.Kaneko;H.Tanno;T.Yotsuyanagi: Analytical Chemistry.