1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 助教授 (60002002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 志郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002310)
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Keywords | 単結晶 / ベリル / 高圧水熱法 |
Research Abstract |
高温高圧下での研究は装置の材質に制限されるところが多い。とくに、水熱反応では水の存在のもとに試料を高温高圧下で反応させることから、耐熱耐圧、耐触等の条件を満足した材料からなる密閉容器が必要である。現在、一般に普及している水熱反応容器(オートクレーブ)は500℃以上の温度での使用に耐えない。 通常の水熱法では溶解が困難で成長しにくい結晶でも、さらに高い温度圧力下では溶媒に対する溶解度が増し、その単結晶の育成が期待できる。このような高温、高圧を実現するためには、二重の高圧容器の内圧-外圧のバランスをとりながら、内側の容器を加熱する内熱法による以外ない。内熱式高圧水熱育成装置を設置し、この加熱部を改良し、温度差をつけ単結晶育成に使用することが可能となった。この方法では、1200℃,3000気圧までの使用に耐えることができる。 本研究の高圧水熱法によるベリル単結晶の育成は、特に出発物質の溶解速度に依存することが明らかとなった。即ち、出発原料として、Si【O_2】粉末は溶解度が大きいので、水晶片を使用すること、及び種結晶を用いて成長させなければならない。これは、ベリル結晶の安定性を考慮すると、Si【O_2】の溶解が律足となり結晶が成長するので、長時間にわたってSi【O_2】が安定に供給されることを必要とするからである。これにより、種結晶を成長させることには一応成功したが成長結晶は均質なものとは言い難いので、育成条件、方法等の詳細な検討が必要である。さらに、このような高温高圧下での単結晶の水熱育成は、従来試みられていないので、ベリル結晶の安定領域に関する相平衡の決定、およびBeO,【Al_2】【O_3】、Si【O_2】等の溶解度を測定し、良質の単結晶育成を試みる。
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