1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470068
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
楯 功 信大, 工学部, 教授 (60020963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 修治 信州大学, 工学部, 助手 (50021027)
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Keywords | 固体レーザー / 直接化合物レーザー |
Research Abstract |
昭和61年度の科学研究費補助金が配分されるという内定通知を受けとったのはこの年の半ばを過ぎた昭和61年10月16日であった。ただちに研究を進めるため必要な赤外線加熱単結晶製造装置をメーカーから購入する手続きを進めたがこの装置が入手できたのは翌昭和62年2月6日であった。以後、現在(3月18日)までの40日の間、鋭意、装置の調整と操作の習熟に努め若干の単結晶製造を試み得られた結果から実験計画を練り、また、装置の性能と結晶製造状況の実状の基礎的知見を経験的に得ることに努めた。得られた研究実績はほぼつぎのようである。(1)淡青色透明で長さ40mm・径6mmのTi【D_2】(ルチル)単結晶を10mm/hrの速度で先づ育成しえた。この単結晶は大気中でアニールすると無色透明になった。この育成のとき浮遊帯の長さは約5mmであり、単結晶の径は3〜6mmに制御することができた。(2)つぎにMgNd【B_5】【O_(10)】組成の原料棒を作成しその融液から目的結晶の一つであるMgNd【B_5】【O_(10)】単結晶の育成を試みた。はじめて液体物性未知のその融液を得たが浮遊帯を形成するように融液の形態を制御することができず単結晶の育成に至らなかった。赤外線集中帯の体積は約110【mm^3】で、曲面で囲まれていると推定した。この実験により予想どおり融液の挙動は組成にも大いに依存することを実験においても目撃すると共に装置の性能を深く理解し操作法熟達の重要性を確認した。(3)以上の結果から目的組成の単結晶を得る条件の一つとして種々の化学組成の結晶の製造をこの装置で試みることによって融液の挙動について農富な知見を得る必要上、若干のハロゲン化物、単純酸化物、複酸化物、オキソ酸塩の結晶育成を計画した。そのうち先づNacl単結晶の育成を試みた。(2)の場合と同様に融液を得たが浮遊帯域を制御できなかった。(2)と(3)の結果は貴重な知識と経験を与えた。今後は上述の方針に従って実験を進め目的結晶を早い時期に製造できるよう努力と工夫を重ねたい。
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