1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470076
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤平 正道 東京工学大学, 工学部, 教授 (40013536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 耕作 東京工業大学, 工学部, 助手 (90016642)
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Keywords | LB膜 / 光電変換 / 電子素子 / 分子エレクトロニクス / フォトダイオード / 人工光合成 / 電子移動消光 / 長距離電子移動 |
Research Abstract |
本研究は光合成の初期過程での光電荷分離機構を模した分子レベルでのフォトダイオードを作ることを目的としている. 原理は2枚の透明電極の間に電子受容体(A), 増感色素(S), 電子供与体(D)を電極面に垂直方向にこの順に配置し, Sの光励起により生成した電子と正孔をそれぞれAとDに渡し, ベクトル的に電荷分離し, さらにこれらを電極で取り出し光電変換を達成するものである. この空間配置は, A, S, Dの機能部位を有するそれぞれの両親媒性化合物をLB法で順次積み重ねるか, 1分子内にA, S, D部位を有する両親媒性化合物を単分子膜として向きを揃えて並べて達成する. 本年度もSとして励起寿命の長いピレンとルテニウムトリスビピリジン錯体を選び, LB膜積層系では, Aとしてピリジニウム, アントラキノン, ビオロゲン, テトラシアノキノジメタン部位を, Dとしてフェロセン部位を有する膜分子を用いた. 分子内単分子膜系では, AーSーDとしてビオロゲンーピレンーフェロセン系を合成し, その光電変換能を検討した. 後者の三組分子ではそれぞれの部位間の距離はメチレン鎖の長さにより調節した. 透明分子ではそれぞれの部位間の距離はメチレン鎖の長さにより調節した. 透明電極としては, 石英板上に金属を蒸着したものを用いた. 前年度に引き続き光電荷分離効率を向上させるために, エネルギーギャップ則を, 各種電子受容体の単分子膜とピレンまたはルテニウムトリスビピリジン錯体の単分子膜との距離を一定に保って, この累積LB膜系の蛍光寿命の測定により検討した. AーSーD三組分子に関しては, 光電変換効率におよぼす以下の因子についてより詳細に検討した. i)表面圧による配向制御の効果, ii)電極ー水溶液系での電極電位依存性, iii)AーS, SーD間の距離の効果 iv)電子供与体がないAーS二組分子とAーSーD三組分子の比較による電子供与体の存在の効果. また直線状AーSーD分子の合成を主として, フリーデルクラフツ反応を利用して行った.
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[Publications] M.Fujihira: Chem.Lett.253-256 (1987)
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[Publications] K.Suga: Bull.Chem.Soc.Jpn.60. 2221-2226 (1987)
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[Publications] K.Nishiyama: Chem.Lett.1443-1446 (1987)
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[Publications] S.Fujita: Chem.Lett.1715-1718 (1987)
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[Publications] K.Hashimoto: J.Phys.Chem.91. 6198-6203 (1987)
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[Publications] M.Fujihira: Thin Solid Films. (1988)
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[Publications] 菅耕作: "化学工業「ミセル可溶化系における光誘起電子移動反応」" 化学工業社, 5 (1988)