1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉彦 京都大学, 工学部, 教授 (40026018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 民生 京都大学, 工学部, 助手 (00093295)
玉尾 皓平 京都大学, 工学部, 助教授 (60026218)
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Keywords | アリルシラン / ケイ素官能基 / 酸化的ケイ素・炭素結合の切断 / (±)ーexoーブレビコミンの合成 |
Research Abstract |
糖を含むポリオールには重要な生理および薬理活性を有するものが多く, 近年, これらの化合物を高度に立体選択的に合成する手法の開発が求められている. 本研究はケイ素の特性を利用して立体選択的なポリオール類の合成法を開発し, それに基づいて有用天然物の合成を行うもので, 本年度は下記の成果を得た. 1.アミノアリルシランの選択的rー位アルキル化反応 (ジエチルアミノ)ジメチルアリルシランおよび(ジイソプロピルアミノ)ジメチルアリルシランをtーブトキシカリウムとnーブチルリチウムで処理して相当するアリルカリウム中間体とした後, アルキルヨーダイドでアルキル化すると位置選択性よく, 高収率でrーアルキル化することが出来た. 2.(±)ーexoーブレビコミンー昆虫フェロモンーの合成 (ジイソプロピルアミノ)ジメチルアリルシランをカリウム化したのち3ーオキソブチルヨーダイドのエチレングリコールケタールで炭素鎖を位置選択的に伸長させ, 生成するビニルシラン誘導体をmークロル過安息香酸でエポキシ化した. 次に, エチルグリニャール試薬を触媒量のシアン化銅(I)の存在下に反応させたところ, 位置選択的にシリル置換基側にエチル基が導入された. 最後にシリル基を酸化的に切断してヒドロキシ官能基に変換するとスレオー3,4ージヒドロキシー8ーノナノンのエチレングリコールケタールが得られた. ここで, 過塩素酸水溶液で処理してエチレングリコール保護基を除去すると分子内ケタール化が起って(±)ーexoーブレビコミンが合成された. 3.α,βーエポキシシランの脱酸素反応 上記2.の反応を検討中, α,βーエポキシシランのケイ素上の置換基がイソプロポキシ置換基でグリニヤール試薬がかさ高いアルキル基のとき,シアン銅(I)の存在下, 脱酸素反応が効果的に起った.
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[Publications] KOHEI TAMAO: Synth.Commun.,. 17. 1637-1646 (1987)
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[Publications] KOHEI TAMAO: J.Org.Chem.,. 52. 4412-4414 (1987)
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[Publications] KOHEI TAMAO: J.Org.Chem.,. 53. 414-417 (1988)
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[Publications] KOHEI TAMAO: J.Org.Chem.,. 52. 957-958 (1987)