1986 Fiscal Year Annual Research Report
畑地のエネルギー及び物質循環の空間的変動に関する基礎的研究
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61470120
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐久間 敏雄 北海道大学, 農学部, 助教授 (50001756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 隆介 北海道大学, 農学部, 助手 (40156344)
岡島 秀夫 北海道大学, 農学部, 教授 (60001385)
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Keywords | リモートセンシング / 熱画像 / 画像解析 / 土壌面温度 / 土壌面蒸発 / 空間的変異 |
Research Abstract |
ナチュラルカラー及び熱映像装置の性能及びそれによって得られた画像解析の手法を検討するとともに、現地圃場において仮設ケーブルによる低空からの画像データを収録・解析した。データ収録の段階では、懸垂したカメラの位置制御に問題があり、現状では地上8〜10mが限度である。収録データ自身については、ナチュラルカラーは特に問題ないが、熱映像については雑音の制御に若干問題があった。これは、カメラ面に吹きつける冷風・塵芥によるものと推定され、フードによってある程度防止でき、それ以上は画像処理段階で除去する必要がある。 現地圃場についての調査は、排水不良な水田転換畑(疑似グライ±)を対象として行った。収録された映像の解析によって、1)旧けい畔は、ナチュラルカラー、熱映像双方によって検出できる。2)地表水の停滞、排水不良を反映する縞状のパターンは、地表面まで湿潤なときは、双方とも検出できるが、地表面が乾燥したり、植被のある条件では熱映像のほうが有利である。3)熱映像データと表層5cmの土壌の水分率分布との間には、明瞭な相関が認められた。4)裸地条件では、日中、日射による土壌面温度の変化を熱映像によって詳細に追跡できる。5)これによって、土壌面の乾燥過程及びその過程における水分及び蒸発量変化を推定できるなどのことがわかった。 画像処理は汎用小型計算器に補助ボードを付加した装置によって行っているが、1シーンの解析に数分かかり、計算器をほとんど占拠する結果になった。捕助画像処理のボードの改良・一体化をはかるとともに、処理プログラムの改良・高速化をはかる必要がある。現在は雑音の処理に長時間を要しているので、この点を改良中である。映像情報と離散型情報の結合は、空間的変異を解析するうえで必須であるが、地質統計的モデルは計算所要時間が長すぎるので、他の方法と併用している。
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