1986 Fiscal Year Annual Research Report
超薄切片の格子像観察による土壌の中間種粘土鉱物の構造解析
Project/Area Number |
61470124
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 光史 九大, 農学部, 教授 (90038159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 信一郎 九州大学, 農学部, 助手 (60108678)
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Keywords | 超薄切片作成法 / 中間種粘土鉱物 / 格子像 / 構造解析 |
Research Abstract |
標準粘土鉱物として、中空管状のハロイサイト(苗木)薄板状のカオリナイト(Creorgia)のく2μm画分について超薄切片の作成法を検討した結果、次のような方法がよいことを見出した。まず試料をメタノール中に音波振とうで分散させ、遠心分離によってメタノールを除いた後、これにEpok812,無水ドデセニールコハク酸(DSA),無水メチルナディック酸(MNA)を混合したものを加え、振とうした後一夜放置する。次に、遠心分離によりこの液を除き、再び上記の混液とこれにTri-dimethyl phenol(DMP)を加えたものと粘土を振とう混合する。別にプラスチック製有縁円板上に、Epok812,DSA,MNA,DMPを混合、1〜2mmの厚さでその面が水平となるように流し込んで、40℃で一夜放置、硬化させて樹脂板を作成しておく。この上に調製した粘土粒子を含む混液を流し込み、脱気した後、その面が水平となるように保持して、粘土粒子を樹脂板上に沈定させ、40°,50°、最後に60℃でそれぞれ一夜放置して樹脂を固化させる。この沈定した粘土粒子を含む樹脂板を割りとり、切削用試料ホルダーに固定して、樹脂板の先端が台形となるように整形し、その部分を購入したウルトラミクロトーム(LKB Ultrotome2088V)を用いて、ガラスナイフで80〜100nmの厚さの超薄切片を作成する。作成した超薄切片は、樹脂を溶解することなくそのまま、JEM100B電子顕微鏡を用いて、粘土粒子の形態と格子像を観察する。この方法を用いて、中間種粘土鉱物を含む大韓民国の赤黄色土【II】B23t層粘土を観察し、部分的に1.1〜1.2nmの格子間隔を示す格子像を認めたが、格子像を示す粒子数が少ないので、この点を改良するとともに、クエン酸処理などによって構造の一部を溶解した試料についての観察を次年度に行うことを計画している。
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Research Products
(1 results)