1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61470135
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後藤 俊夫 名大, 農学部, 教授 (20023369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 忠雄 名古屋大学, 化学測定機器センター, 助手 (70093028)
今井 邦雄 名古屋大学, 農学部, 助手 (80109313)
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Keywords | アントシアニン / コンメリニン / マロニルアオバニン / フラボコンメリン / メタロアントシアニン |
Research Abstract |
美麗な花色は主にアントシアニンであるが単独では不安定なアントシアニンの花弁中での安定化機構および青色の発現機構の解明を目的とし、特に金属の関与したメタロアントシアニンについて研究した。 (1)ツユクサの青色色素コンメリニンの構造 林らはコンメリニンの組成としてアオバニン2分子、フラボコンメリン2分子、マグネシウムとカリウム各1原子を報告しているが、我々は天然および合成コンメリニンが電気泳動で7個のスポットに分離される場合のあることを手掛りとしてその組成を追求した所、コンメリニンはマロニルアオバニン6分子、フラボコンメリン6分子、マグネシウム2原子からなる分子量約1万の分子であることを証明できた。また分子中におけるそれらの成分の配列に関しては結晶形、旋光分散などのデータから、マロニルアオバニン2分子が疎水結合でスタッキングしたもの3組が2原子のマグネシウムによってキレートし、プロペラ状となり、各マロニルアオバニンにフラボコンメリン1分子ずつがさらに疎水結合でスタッキングした構造を推定した。従来測定のできなかったコンメリニンのプロトン核磁気共鳴スペクトルの測定に成功し、その結果も上記の推定を裏付けた。 (2)赤キャベツの色素の構造 赤キャベツのアントシアニン色素は比較的水溶液中で安定であるので、その機構を探るため、その構造を研究した。赤キャベツから5種のモノアシル化アントシアニンを単離し、シアニジン骨格の3位にアシル化リホロースがまた5位にグルコースが結合したものであり、アシル基として、P-クマリルフェルリル、シナピル、4-グルコシル-P-クマリル、4-グルコシル-フェルリルがそれぞれ結合したものであることを証明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hirotoshi Tamura: Tetrahedron Letters. 27. 1801-1804 (1986)
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[Publications] Toshio Goto: Annals of the New York Academy of Sciences. 471. 155-173 (1986)
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[Publications] Eiichi Idaka: Chemistry Letters. 145-148 (1987)
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[Publications] 近藤忠雄: 日本化学会誌. 1571-1578 (1986)