1986 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍性ベンゾフェナンスリジンアルカロイド及び関連化合物の合成
Project/Area Number |
61470148
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
花岡 美代次 金沢大, 薬学部, 教授 (80028844)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 智里 金沢大学, 薬学部, 助手 (70143914)
安田 信吾 金沢大学, 薬学部, 助教授 (00019663)
|
Keywords | ベンゾフェナンスリジン / プロトベルベリン / 生合成類似反応 / カチオン閉環反応 / 抗腫瘍性アルカロイド / ファガロニン / ニチジン |
Research Abstract |
1.ベルベリンからホフマン分解反応による【C_6】-N結合の開裂、硝酸タリウムを用いるアセタール化、酸による再閉環により生合成類似の経路でベンゾフェナンスリジンアルカロイドのケレリスリンに好収率で導き、完全芳香化アルカロイドの新しい合成法を確立した。 2.上記反応の原料となるプロトベルベリンを容易に入手可能なベンツアルデヒド体から短工程で簡便な位置選択的合成法を見出し、一般に合成困難な2,3,9,10-位に酸素置換基をもつプロトベルベリンアルカロイドを全合成することができた。 3.天然に豊富に産するプロトベルベリンから過酸による【C(^-_8)】【C_(8a)】結合の開裂、再閉環により、D環の酸素置換基の位置異性体に導く方法を開発した。 4.抗腫瘍性アルカロイドのニチジン及びファガロニンを対応するプロトベルベリンから上記合成法を適応し、新しい効率よい全合成を完成することができた。フェノール性水酸基を有するファガロニンの場合には、最も一般的なベンジルエーテルを保護基に用い容易に目的を達することができた。このことは本反応条件が非常に穏和なことを示している。 5.カチオン閉環反応による脂環式ベンゾフェナンスリジン骨格合成法を開拓した。即ち、プロトベルベリンの【C_6】-N開裂体の【C_(13)】位に水酸基を導入し、酸によりベンジルカチオンを生成させ閉環させるものである。この反応を駆使して,ベルベリンから脂環式アルカロイドのホモケリドニンを高収率で立体選択的に全合成し、この種アルカロイドの新しい合成法を開拓した。
|
-
[Publications] Miyoji Hanaoka: J.Chem.Soc.Perkin Trans.1. 2253-2256 (1986)
-
[Publications] Miyoji Hanaoka: Chem.Pharm.Bull.35. 195-199 (1987)
-
[Publications] Miyoji Hanaoka: Chem.Pharm.Bull.35. (1987)