1988 Fiscal Year Annual Research Report
ホスファイト法によるリボオリゴヌクレオチドの新合成法の研究
Project/Area Number |
61470150
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上杉 晴一 大阪大学, 薬学部, 助教授 (70028851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊樹 蛋白工学研究所, 主任研究員 (70171775)
西川 諭 大阪大学, 薬学部, 助手 (70150307)
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Keywords | ホスファイト法 / 固相合成 / リボオリゴヌクレオチド / ホスホアミダイト / RNA / 構造 / NMR |
Research Abstract |
1.固相ホスホアミダイト法による、リボオリコヌクレオチドの大量合成 リボオリゴヌクレオチドの立体構造をNMRにより調べるためには、比較的大量の試料が必要になるので、固相ホスアミダイト法による大量合成を検討した。リンの保護にはメチルあるいはシアノエチル基を用い、アミダイトの活性化には、テトラゾールよりも強力な5ー(pーニトロフェニル)テトラゾールを用いた。縮合反応の際のアミダイト体の量は7ー10当量で充分であった。合成したオリゴマーの脱保護は2段階に分けて行なった。まず、アンモニア処理後、トリチル基を有するオリゴマーを逆相クロマトグラフィーにより分離し、酢酸処理および光照射後、完全脱保護オリゴマーをゲル濾過および逆相クロマトグラフィーによる精製した。このようにして、100吸収単位(260nm)程度の量の10ー20ヌクレオチドの鎖長の純粋なオリゴマーを、迅速かつ容易に得ることができるようになった。収率は10ー20%であった。 この方法により、テトラヒメナのリボゾームRNA前駆体の誘導配列をもつ2重鎖RNA(1)、T4ファージのmRNA中に題られる非常に熱安定性の高いヘアピンループRNA(2)、RNA切断活性をもつRNA複合体(3)などを合成した。 2.NMRによるRNAオリゴマーの構造研究 上で合成したリボオリゴヌクレオチドの構造を、UV、CD、NMRにより調べた。1は、セルフスプライシングによる切断部位にG:U塩基対を含み、この3′末端側で不連続的な構造が存在することがわかった。2では、ループ部分にSyn型のグアノシン残基が存在し、ループ部分の特異な構造がステムの2重鎖部分の水素結合を安定化していた。
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Research Products
(2 results)