1988 Fiscal Year Annual Research Report
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61480008
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 晃弘 東京大学, 教養学部, 教授 (50012266)
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| Keywords | 非特異性脂質軸移タンパク質 / 発芽ヒマ種子 / イソ型 / 組織特異性 / アミノ酸配列 |
| Research Abstract |
発芽ヒマ種子に非特異性脂質転移タンパク質nsLTP)のイソ型が存在することは、61年度の報告書に記したが、その後、得られた結果と共にまとめると次のようである。発芽ヒマ種子の胚乳には8KD(キロダルトン)のnsLTPが見出され、一方、子葉および胚軸(下胚軸と幼根)には9.4KDと7KDのnsLTPが見出された。検出は最初に発芽ヒマ種子から軍離されたnsLTP9.4KD)に対する抗体を用いるウエスタン・ブロット法により行った。この結果、最初に軍離、精製されたヒマnsLTPは子葉や胚軸に含まれるものであることがわかった。ヒマにおけるnsLTPの示すこのような組織特異的所在の生理的意義は興味ある現象であり、今後の解明課題である。 一方、ヒマの子葉および胚軸に含まれるnsLTP(以下nsLTP-9という)に関しても、クロマトグラフィー分画の最終段階でしか分離できないイソ型が存在し、最初に軍離したものから順に、nsLTP-9A、9Bおよび9Cと命名した。3つのイソ型の全アミノ酸配列が決定され、すべて92個のアミノ酸残基からなる。9Bと9Cは9Aと同様に脂質転移活性を示し、抗9A抗体と反応するが、9Aに対して、9Bと9Cのアミノ酸配列の相同性は、それぞれ68%と35%しか示さなかった。しかしながら、3つのイソ型の間で8個のシステイン残基が完全に保存され、4つの架橋をつくっている。N末端近くと鎖中位、鎖中位とC末端近くが架橋により一か所に集められ、ヒマnsLTPの表層附近に疎水性パッチをつくっていることが示唆される。また、鎖後半に多いイオン性残基のうち、鎖中位の3残基が3つのイソ型の間で完全に存保されているので、この部位と脂質分子の親水性部位との相互作用が考えられる。
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[Publications] Kunio,Takeshima;Shin-ichiro,Watanabe;Mitsuhiro,Yamada Tatuko,Suga;Gunji,Mamiya: Eur.J.Biochem.
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[Publications] 山田晃弘: 化学と生物. 289.
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[Publications] Shigeru,Tuboi;Yoshiro,Ozeki;Mitsuhiro,Yamada: 投稿準備中.
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[Publications] Mitsuhiro,Yamada;Shin-ichiro,Watanabe;Kunio,Takishima;Gunji,Mamiya: "The Metabolism,Struture,and Functoin of Plant Lipids Eds P.K.Stumpf,J.B.Mudd and W.D.Nes" Plenum Press,New york ando London, pp701-703 (1987)