1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市村 輝宜 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (00090481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 文絵 国立公害研究所, 技術部, 専門官
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Keywords | 鼓藻類 / 種分化 / 高次倍数体 / ミカヅキモ / 交配型決定遺伝子 / 減数分裂 / 広域分布 |
Research Abstract |
1.ミカヅキモClosterium ehrenbergiiの交配型決定遺伝子mt^-はmt^+に対して優性である. (1)交配群Aのマイナス株Rー11ー16の栄養細胞を0.2Mマニトールを含む培養液中で数日間培養を行った後に, 通常の栄養細胞より巨大化した細胞を分離培養した. (2)得られたクローンは細胞の大きさ及び染色体数より野性型が倍数化したものと判断された. (3)栄養細胞を人工的に倍数化したマイナス株は野性型株のmt^-遺伝子を2倍持っているため, mt^-が優性遺伝子であれば, 野性型のプラス株との交配における子孫にマイナスの個体が多く出現することが予想される. (4)実験結果は, 調べた1994のF_1個体の45%が生存し, プラスとマイナスが154と736個体(約1対5に分離)であった. (5)優性遺伝子を2個含む倍数体の減数分裂を考えると, 上記の結果は人工倍数体株と野性型株の接合子は交配型遺伝子に関して3倍体遺伝をしていることを示している. (6)しかし前年度及び本年度における減数分裂時の染色体の行動及び子孫の生存率から, 野性型株の栄養細胞は半数体ではなく倍数体であると考えられる. (7)mt遺伝子座を持つ染色体のみが例外であるのか, 又は倍数体ゲノム内で分化が進み, 減数分裂時に特定の染色体間でのみ対合が起るのかは今後の問題として残されている. 2.冷涼地域の流水に生息するミカヅキモC.ehrenbergiiの交配群Pは高次倍数体であり広域分布をする. (1)北海道の平野部の小河川,本州の年中冷涼な湧水起源の水系, 北米オレゴン州及びデンマークの冷涼流水域に分布するミカヅキモは交配群ABHの2倍以上の染色体数であり細胞は巨大である. (2)地理的に大きく隔った産地の株間の交配は可能であり, 子孫の生存率も高く, これらは同一の交配群Pに属する. (3)P群はABH群の生育に適した水温(20〜25℃)では増殖できず, 逆にABH群の生育に不適な水温(10〜15℃)でよく増殖する.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fumie Kasai: The Journal of Phycology. 23. 344-351 (1987)
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[Publications] Terunobu Ichimura: The Journal of Phycology. 23. 523-534 (1987)
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[Publications] Terunobu Ichimura: Phycologia.
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[Publications] Fumie KASAI: The Journal of Phycology.
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[Publications] Terunobu ICHIMURA: Phycologia.