1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芦田 正明 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50012422)
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Keywords | フェノールオキシダーゼ / 昆虫血液 / β-1,3-グルカン / ペプチドグリカン / 生体防御 |
Research Abstract |
昆虫血液にはバクテリアやカビなどの細胞壁成分であるペプチドグリカンやβ-1,3-グルカン(以下エソシターと総称)により引金をひかれるカスケード系(prophenoloxidase activating system、proPO活性化系と略称)が存在する。この系がエリシターで活性化される機構を研究した。proPO活性化系の構成要素の中でこのエリシターと親和性を持つ物質(receptor)が存在すること、また系の引金がひかれるときエリシターとreceptorの相互作用がカスケードの第一段の反応であると仮定した。まずペプチドグリカンとβ-1,3-グルカンそれぞれに別種のreceptorが存在することの証明を試みた。ペプチドグリカンあるいはβ-1,3-グルカンをリガンドとして持つアフィニティカラムを用い、ペプチドグリカンreceptorあるいはβ-1,3-グルカンreceptorを欠くproPO活性化系を調製して、二つのreceptorの内一方を欠く活性化系では二種のエリシターの内の一方でしか活性化出来ないことを証明した。次にβ-1,3-グルカンreceptorを精製した。この精製にはreceptorを欠くproPO活性化系を用いてreceptor活性の測定を行なわなければならず困難をきわめたが、硫安分画、DEAEセルロースカラム、ヘパリンセファロースカラム、モノQカラム(ファルマシアFDLCシステム)カラムクロマトグラフィーを行ない均一な標品を得ることが出来た。β-1,3-グルカンreceptorは分子量約6万2千のタンパク質であることが明らかになった。このreceptorのくわしい性質について現在研究を進めている。ペプチドグリカンreceptorはペプチドグリカンSepharoce4βカラムから低いPHで溶出されてくることが判明した。現在、溶出されてきた標品の精製を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Reiko Iwama: Insect Biocheistry. 16. 547-555 (1986)
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[Publications] Hideya Yoshida: Insect Biochemistry. 16. 539-545 (1986)
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[Publications] Hideya Yoshida: Biochem・Biophys.Res.Commun.114. 1177-1183 (1986)