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1987 Fiscal Year Annual Research Report

細胞内共生現象の分子生物学的・細胞生物学的研究

Research Project

Project/Area Number 61480018
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

石川 統  東京大学, 教養学部, 助教授 (70012482)

Keywordsアブラムシ / 細胞内共生微生物 / ゲノムライブラリー / rDNA / シンビオニン
Research Abstract

本年度は細胞内共生系のホストであるアブラムシのrRNAの構造上の特徴を明かにするとともに, 共生体ゲノム中に繰返し配列の存在を指摘した. さらに共生体が細胞内で唯一合成するタンパク質, シンビオニンの分離・精製をほぼ達成した. 以下にそれらの主な結果を項目別に示す.
1.ファージベクターεMBL4を用いて作製したアブラムシ・ゲノムライブラリーからカイコrDNA断片をプローブとしてrDNA繰返し配列のクローンを得, 28S rRNAコード配列の中間点近傍の塩基配列を決定した. この結果, アブラムシ28S rRNAが他の昆虫類の分子と異なり, 中間点近傍にhidden breakをもたないのは, この部分の塩基配列が後口動物などの分子と同様にGCに富むことと密接に関連していることが明かになった.
2.同じくεMBL4を用いて作製した共生体ゲノムライブラリーを上記アブラムシrDNA断片をプローブとして検索したところ, その一部と95%以上の相同性をもつ配列が数十回以上繰返して存在することが明かになった. 塩基配列の検討によって, 共生体ゲノム中のこれらの配列はホストrDNAの一部が進化を通じて転移されて生じたものと推察された.
3.アブラムシ全組織からタンパク質を抽出し, 硫安40ー50%飽和で沈でんする分画を出発材料としてシンビオニンの分離・精製を行なった. ハイドロキシアパタイト, DEAEセルロース, さらにゲル濾過の操作を経ることによって, シンビオニンを電気泳動的にほぼ単一のバンドにまで精製することに成功した. ゲル濾過の過程で明かになったのは, 生体内でシンビオニンは分子量約800Kのホモポリマーとして存在することで, 従来, SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で検出されてきた63K分子はそのサブユニットであることが強く示唆された.

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] H.ISHIKAWA: Journal of Molecular Evolution. 24. 205-211 (1987)

  • [Publications] H.FUJIWARA: Comparative Biochemistry and Physiology. 88B. 761-766 (1987)

  • [Publications] H.ISHIKAWA: CRC Handbook on Insect Endocytobiosis.

URL: 

Published: 1989-03-30   Modified: 2016-04-21  

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