1988 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いた雄性不稔細胞質遺伝子の構造解析と雄性不稔性の誘発
Project/Area Number |
61480031
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西川 浩三 岐阜大学, 農学部, 教授 (50021671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 啓一 岐阜大学, 農学部, 教授 (00002064)
古田 喜彦 岐阜大学, 農学部, 教授 (20021719)
堀津 浩章 岐阜大学, 農学部, 教授 (60021680)
|
Keywords | プロトプラスト / 細胞融合 / タバコ / イネ / マイクロインジェクション |
Research Abstract |
1.イネ 前年度までにプロトプラストの電気融合により高率で融合体が得られることが分かった。本年度は融合細胞から復元個体を誘導することを試みた。N6液体培地に0.4M sucroseを加えて培養したが、細胞壁の再生は見られなかった。また、プロトプラストにPEGを加え、高Ca^<2+>、高pH条件下で融合させると、プロトプラストはPEGで凝集させられるが、希釈液を加えると凝集が解け、幾つかのプロトプラストの融合が見られた。引続き融合細胞の培養について検討する必要がある。 2.タバコ(1)細胞融合:非対称細胞融合により細胞質遺伝子因子のみを混合する目的をもって、雄性不稔系統、MS Burley 21の核の不活性化を試みた。従来のX線よりも操作が容易な紫外線を次の要領で照射した。殺菌灯(東芝15W、253.7nm)の下25cmにプロトプラスト懸濁液(10^6個/ml、液深約3mm)を置いた。照射時間は1、2、3、4および5分とし、1および2週間後の分裂能により最適時間を決定した。この結果3分間の照射が最適であると判断した。3分間紫外線照射のMS Burley 21のプロトプラストと無処理のBurley 21の白色プロトプラストをPEG法により融合させた。PEG溶液に1分間インキュベートして融合細胞が効率よく得られた。融合細胞は色によって容易に識別できた。融合細胞をマイクロマニピュレーターで拾い上げ、20倍に希釈した修正MS培地でアガロースに包埋して培養した。培養1週間後に分裂細胞が観察されたが、まだ復元個体を得るに至っていない。(2)マイクロインジェクション:Lawrenceら(1985)の方法にしたがって行った。0.5Mマンニトールを含む0.6%アガロースに包埋したプロトプラストに注射したが、まだ成功していない。実験を継続中である。
|