1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅 洋 東北大, 農学研究所, 教授 (00124587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀幸 東北大学, 農学研究所, 助手 (70179513)
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Keywords | 物理的刺激 / エチレン / イネ / インゲンマメ / 自己防御機構 / キュウリ / 重力屈性 / オリゴサッカリン / ペグ形成 |
Research Abstract |
(1)浮稲が水浸漬に遭遇したときの自己防御機構として、ストレスに対応して節間伸長する機構について、生理遺伝学的研究をおこない、この節間伸長には相補的に働く2個のき動遺伝子が関与し、1個は内生ジベレリンの生成を支配し、他の1個はエチレンに対する反応性を支配することを明らかにした。(2)物理的刺激が、病原菌の感染、傷害の治癒に及ぼす影響について、インゲンを用いてトマト灰色疫病菌感染に及ぼす影響を檢討した。感染程度の判定に独自の画像処理法を開発した。物理的刺激の前処理により、病原菌感染の進行が有意に抑制されることを見出し、更に物理的刺激を与えると病原菌接種のために植物体に傷を与えたとき、癒傷カルスの形成が著しく促進されることを見出した。この癒傷カルスの形成は、エチレン・オーチシンによってもわずかに促進されるが、サイトカイニンがもっともその形成を促進した。また、ファイトアレキシンの誘導物質としてペクチン質のオリゴ糖が注目されているので、レモンのペクチンからオリゴ糖を調整しその効果を檢討し、先の癒傷カルス形成に活性を示すことを見出した。(3)植物の生存、効率的生産活動に重力刺激への適応反応について、ウリ科植物のペグ形成の系について檢討した。クライノスタットやエチレン生合成阻害剤、あるいはエチレン作用阻害剤などを用いる実驗により、ウリ科植物のペグ形成には、重力に反応して変化するオーキシンの極性移動とエチレン生成がなんらかの形で関与することを示す結果が得られたが、この両者の作用にはちがいが認められ、さらに詳細な檢討が必要とされる。また、暗黒下では重力屈性を示さないエンドウの突然変異種のageotropumを用いて、幼植物のフツリ形成に及ぼす重力刺激の役割について檢討し、重力感受機構にエチレンが関与していることを示唆する結果が得られ、次年度にさらに檢討を必要とする。
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Research Products
(2 results)