1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480037
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
雨宮 昭 愛媛大, 農学部, 教授 (00175936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 秀樹 愛媛大学, 農学部, 助手 (40112255)
佐藤 亨 愛媛大学, 農学部, 助教授 (50036315)
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Keywords | サトイモ / 物質生産 / 光合成 / 呼吸 |
Research Abstract |
サトイモは、焼畑農業時代から親しまれている古典的作物であるが、その生育に関する資料は乏しい。そこで各種環境要因と生育反応を生理生態面から把握し、物質生産向上のための基礎資料を得る目的で実験を行った。 1.光合成系の生育特性 (1)主茎葉の出葉展開間隔は、生育前半では7〜9日、後半は13〜20日となり生育時期により異なった。(2)葉位別葉面積は、生育に伴って上位葉へと大きくなり12〜13位葉で最大となった後再び小さくなる。葉柄長も同様の傾向がみられ、葉位毎の葉面積と葉柄長との間には高い正の相関々係がみられた。(3)葉身の生存日数は、生育中期までは40〜45日、後期には55〜80日と長くなった。(4)受光面からみた生産構造は、下位葉は水平に保たれ上位葉は展開位置も高く傾斜角度を増すため、光の透過には好ましい適応のように思われる。 2.環境要因と生態的特性 (1)生育におよぼす日長の影響は、葉柄は長日で長く短日で短かくなり、出葉速度、生存日数は後期に影響がみられた。(2)土壌水分の影響は、下限が40%附近にみられ60〜80%で旺盛な生育となった。(3)地温との関係は、高温(34±2℃)区では7月下旬から生育停滞、委縮状態となり、冷温(15〜16℃)区では生育初期から生育遅延型となった。低温(20〜25℃)区は標準区にほぼ近い値で生育した。(4)日射量の影響は、被陰が高まると出葉速度は遅れ生存日数が長くなった。過度の被陰は葉面積の拡大を減退させる。 3.光合成特性 (1)光合成速度,光飽和点,光補償点等はAgingによって異なった。(2)光合成速度は入射角によって異なるが、表面が裏面よりも、また片面よりも両面から照射した方が高い値を示した。(3)温度との関係は、30℃をピークとする単頂曲線を示し、温度保数は2.05であった。
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