1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480038
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中條 博良 阪府大, 農学部, 教授 (80081488)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 幸夫 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20081557)
|
Keywords | チーゼル / チーゼル頭 / 2年生植物 / 苞鉤 / 追肥量 / 花芽分化 / 根腐病 / 菌核病 |
Research Abstract |
1.播種期による翌春の抽苔状況を調査した結果、6月播種までは抽苔したが、9月播種では抽苔しなかった。従って、チーゼルは一定成長量に到達するまでは低温感応能力を持たない2年生植物であることが明らかになった。 2.3月におけるN,P,Kの追肥量に段階を設け、チーゼル頭の各肥料要素含有率および品質について検討した。その結果、チーゼル頭の品質は、K増施区が苞鉤の発達程度,弾力性などの点から最も優れ、N増施区は苞鉤の発達は良好であるが柔軟であり、P追肥は影響が少ないことが明らかになった。苞鉤の各肥料成分含有率は各肥料の追肥量にほぼ相応していた。 3.生長点が極めて小さいので、花芽分化の初期段階を詳細に観察することはできなかったが、花芽分化がほぼ3月初めから開始され、3月中旬に分枝の発育が始まることを認めた。 4.茨城県における実際栽培状況の調査によって、次の諸点を明らかにした。 (1)根腐病および菌核病の発生が近年著しくなってきた。根腐病は、10月の定植時に多く発見され、罹病株を検査した結果、リゾクトニア菌によるものと判明し、バシタック剤などによる対策を指導した。菌核病は抽苔後に多発するが、現在のところは有効な対策がないので、5,6年以上の栽培中止を指示した。なお、水田を利用した栽培体系がとられている大阪では、これらの病害はほとんど発生していない。 (2)開花期および収穫後の乾燥期間が梅雨末期に当るので、チーゼル頭の品質が極めて劣悪である。その対策として、開花期を多少とも遅延させることが考えられるので、分枝および秋季の定植時期による開花期の差異を検討する必要がある。
|