1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480039
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原田 隆 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001457)
|
Keywords | 凍結保存 / ラズベリー / 食用ユリ / ニンニク / ジャガイモ |
Research Abstract |
1.ブドウ茎頂の凍結保存:DMSOとともに凍結媒液に添加する糖の効果は、濃度が高いほど大きかった。耐凍性が低いと考えられる夏季の材料を用いた場合においても、-30℃までの凍結に耐えることがわかった。初冬期の葉芽の茎頂では、-30℃まで予備凍結を行ってから液体窒素(-196℃)に入れると、凍結に耐え生存していることが確認できた。 2.ラズベリー茎頂の凍結保存:耐凍性の高い冬季の葉芽の茎頂を用いた場合、予備凍結を行ってから液体窒素中に入れると生存していることがわかった。この場合、予備凍結温度は-40℃よりも-30℃のほうが適していた。また、凍結媒液中のDMSO濃度は12%が適当であった。 3.食用ユリ子球生長点部組織の凍結保存:凍結処理前の低温処理を2週間以上行えば、液体窒素中においても生存し、融解後の培養によって植物体が再生し得ることを確認した。凍結する生長点部組織の大きさは2mmくらいが適当であり、凍結媒液中のDMSO濃度は16%の場合に効果が大きかった。予備凍結については、0.5〜2.0℃/minで-30℃まで行うのがよい。融解後に行うDMSO排出処理を行わない場合においても、薬害は認められなかった。 4.ニンニク小鱗茎生長点部組織の凍結保存:前培養を行うと液体窒素中においても生存し得ることがわかった。この場合、DMSO濃度は16〜20%が適当であり、予備凍結は0.5℃/minで-30℃まで行うことが必要である。 5.ジャガイモ腋芽茎頂の凍結保存:液体窒素中で凍結した場合においても約20%の生存率が得られた。この場合、凍結前における植物体の低温処理(5℃,4週間以内)は大きな効果があり、凍結媒液中のDMSO濃度は20%が至適であった。凍結媒液処理は20℃よりも5℃で行ったほうが効果は大きかった。予備凍結は0.5℃/min,-40℃がよい。
|