1988 Fiscal Year Annual Research Report
ミカン亜科植物の接木親和性と台木的利用に関する研究
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61480043
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
岩政 正男 佐賀大学, 農学部, 教授 (40039334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁藤 伸昌 佐賀大学, 農学部, 助教授 (80015809)
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Keywords | micrografting / ユズ / カラタチ / マメキンカン / Microcitrus / Eremocitrus / Citropsis / Atalatia / Severinia / Hesperethusa / Pleiospermium / Triphasia / Glycosmis / Clausena / Murraya / Aegle / vitrification |
Research Abstract |
台木にユズ、カラタチ、マメキンカン、Triphasia trifolia及びGlycosmis pentaphyllaを用い、穂木に真正カンキツとして興津早生、マメキンカン、Microcitrus australasica,Eremocitrus glaucaを、近縁カンキツとしてCitropsis schweinfurthiiとAtalantia ceylanicaを、原始カンキツとしてSeverinia buxifolia,Hesperethusa crenulate,Pleiospermium sp.を、トリファシア亜連としてT.trifoliaを、ワンピ連としてG.pentaphylla,Clausena excavata,Murraya paniculataを、バルサモシトラス亜連としてAegle marmelosを用い、micrograftingを行った。ユズ、カラタチ、マメキンカンに対し、真正カンキツ類はもちろん、近縁カンキツ類も原始カンキツ類も活着し、接木親和性を示した。Glycosmis.Murraya,Triphasiaは全く活着しなかったが、ユズ台に対してC.excavataとA.marmelosが多少の親和性を示したことが注目された。C.excavataは一般の接木でも同様な傾向を示しているので興味深い。G.pentaphylla台に対しC.excavataとM.paniculataの穂木がかなり長く生存していたこと、及び、T.triphoria台に対しS.buxifoliaやH.Crenulata,C.schweinfurthiiが多少の親和性を示していたことが注目される。micrograftingは無菌操作を伴うので煩雑であるが、熟練すれば最も安定した環境で速やかに接木親和性を確める方法となるであろう。 カラタチの種子は秋に採取し翌春以降に用いれば別状ないが、1月頃までに寒天培地上におくと発根するが発芽しない。これをジベレリン250ppmで12時間処理することにより発芽させることができた。 培養植物が示すvitrificationは培地の浸透圧には関係なく、寒天やゲルライトの濃度で異常の度合が異った。一般に使用されている1%前後の寒天や0.1〜0.2%のゲルライト濃度が最適であった。vitrificationを軽減し順下を容易にするためには、培養の後半にミリラップやサンキャップシートのような通気性の良い栓を用いるのが、最も効果的である。
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