1986 Fiscal Year Annual Research Report
わが国におけるルテオウイルスの発生実態と各種ルテオウイルスの比較研究
Project/Area Number |
61480046
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小島 誠 新大, 農学部, 教授 (00001454)
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Keywords | Luteovirus / barley yellow dwarf / beet western yellows / purification / Characterization |
Research Abstract |
1.オオムギ黄萎ウイルス(BYDV)に関する研究 (1)系統間の比較ー新潟県長岡市のオオムギから分離した1系統(BYDV805)と福井県福井市のオオムギから分離した1系統(BYDVF85)の媒介虫特異性を比較したところ、両系統ともムギクビレアブラムシにより高率に伝搬され、ムギヒゲナガアブラムシで低率ながら伝搬されたが、他2種のアブラムシでは伝搬されず、伝搬特性に違いはみられなかった。 (2)理化学的性状ー両系統の純化試料を電顕観察したところ、直径約25nmの球形粒子が認められ何れも感染性が認められた。純化標品から蛋白質を抽出、電気泳動による解析の結果、分子量22,000の単一成分から成ることが判明した。一方、抽出した核酸を解析したところ、1本鎖RNA一分子種をウイルスゲノムとして有していることが明らかとなった。また、感染葉から複製中間体を抽出解析した結果、分子量の異る2本鎖RNA3分子種が分離された。特に最も分子量の小さい分子種は米国の系統にはない。 (3)細胞病理的変化ーBYDV805に感染したオオムギの根系を用い、感染初期の変化を電顕的に観察したところ、核内でのウイルス増殖が認められ、葉緑体・ミトコンドリアの変性,小胞の出現等が明らかとなった。 2.ビート西部萎黄ウイルス(BWYV)に関する研究 (1)ホウレンソウからのウイルス分離ー新潟市のホウレンソウからウイルスを分離した。モモアカアブラムシによる接種で宿主範囲を明らかにした。 (2)理化学的性状ーDrislase処理により効率よくウイルスが抽出され純化法が確立された。純化標品には直径約25nmの球形粒子が含まれていて感染性も認められた。ウイルス蛋白は分子量2400の単一成分から成る。 (3)血清学的研究ー純化標品を用い力価1/1024の抗血清を得た。また酵素結合抗体法の至適条件を決定した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kojima;Niitsu;Takahashi: Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Takahashi;Kojima;Oshima;Uyeda;Shikata: Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Amai;Kojima: Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Azuhata;Minagawa;Kojima: 新潟大学農学部研究報告.
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[Publications] Yamaguchi;Niitsu;Kojima: 新潟大学農学部研究報告.