1988 Fiscal Year Annual Research Report
水産動物の倍数体の能力評価に関する遺伝・育種学的研究
Project/Area Number |
61480069
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Research Institution | Kitasato University School of Fisheries Sciences |
Principal Investigator |
藤野 和男 北里大学, 水産学部, 教授 (40050314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 誠一 ニチケン(株)研究室, 研究員 (60224169)
荒井 克俊 北里大学, 水産学部, 講師 (00137902)
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Keywords | エゾアワビ / カワマス / ゲノム操作 / 3倍体 / 遺伝子・動原体間組換え / 電気泳動変異 / 熱安定性変異 / 能力評価 / 遺伝資源の保全 |
Research Abstract |
1.倍数化に伴う生存度・妊性・成長度の変化:ゲノム操作によって作出されたエゾアワビの2種の3倍体(第1又は第2極体保有)を発生後3年半に亘って対照の正常2倍体と混合飼育して観察を続けた結果、生存度では、満2年以後3倍体が有意に優れるに至ることが明らかにされた。生殖腺の発達程度は、3倍体の方が雌雄共全般に著しく劣る一方、その程度に顕著な個体差が認められ、従って、3倍体の妊性の不全の程度に可なりの個体差が予測されるに至った。本研究期間内に対照2倍体は約半数が性成熟に達したに過ぎず、その大半の成熟が予想される次年度には、上記の予想に関して明確な結論が得られる見込みである。2.遺伝子・動原体間組換え率の推定::減数分裂過程を経由して雌親のゲノムが次世代に伝達される機序に基づいて、親と次世代兄弟群の遺伝子型組成の解析を行い、エゾアワビにおける遺伝子・動物体間組換え率を新たに4遺伝子座(ロイシンアミノペプチダーゼ、マリックエンザイム、フオスフオグルコムターゼ・Sおよびエステラーゼ・M)について明らかにし、更に、既報のものを含む数遺伝子座間の連鎖を明らかにし、前述の組換え率に基づいて染色体上の配列順序・位置を決定し、遺伝図を作成した。3.雌親の遺伝子型と次世代に対する貢献度:低水温(3°C)刺激を加えて極体放出を阻止しエゾアワビの3倍体を作出した場合、次世代3倍体産生に対する貢献度が雌親のアイソザイムの熱安定性変異遺伝子型によって異なることが、既報のアイソザイムの外、フオスフオグルコースイソメラーゼ・Sおよびエステラーゼ・F遺伝子座などで明らかにされた。4.半閉鎖式循環水槽のエゾアワビ飼育牧容能力:飼育環境の安定化の為、エゾアワビのアムモニア耐性、同単位体重・時間当り排泄量およびバイオフィルターのアムモニア酸化能力など諸パラメーターを得、それらに基づいて定量的検討を行い、水槽の収容許容限界量の推定を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤野和男: 水産育種. 13. 1-7 (1988)
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[Publications] Kazuo Fujino、: NIPPON SUISAN GAKKAISHI. 54. 953-958 (1988)
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[Publications] Katsutoshi Arai: NIPPON SUISAN GAKKAISHI. 54. 2055-2064 (1988)
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[Publications] Kazuo Fujino、: NIPPON SUISAN GAKKAISHI. 54. 2049-2054 (1988)
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[Publications] Kazuo Fujino、: NIPPON SUISAN GAKKAISHI. 55. 1-7 (1989)
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[Publications] Kazuo Fujino、: NIPPON SUISAN GAKKAISHI.