1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480071
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
渡辺 武 東京水産大, 水産学部, 教授 (60017051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 俊郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (70092591)
佐藤 秀一 東京水産大学, 水産学部, 助手 (80154053)
村井 武四 水産庁養殖研究所, 栄養代謝部, 室長
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Keywords | 飼料 / エネルギー / 可消化エネルギー / コイ / ニジマス |
Research Abstract |
本年度は可消化エネルギー(DE)測定法の確立を中心にして次の実験を実施した。 1.採糞装置の比較:現在までに実験に使用されている採糞装置のうち5種類について、比較検討し、糞中の栄養成分の水中への溶出を最少限に抑える装置の検索を行った。その結果、エネルギー、タンパク質、脂質および炭水化物の吸収率については、いずれの採糞装置も有効であることがわかったが、簡便さ及び価格の点から荻野式採糞装置を改良したものが最も優れていると判断された。そこで、今後の実験にはすべてこの装置を用いて糞を採取することとした。 2.DEに及ぼす水温、魚体サイズおよび飼料組成の影響:水温および魚体サイズを種々替えるとともに、飼料組成の異なる飼料を組み合せ、DEに及ぼす影響を調べた。10g以下のコイでは、水温の影響をあまり受けないが、10g以上では水温の上昇に伴いDEが高くなる傾向がみられた。また、20℃におけるエネルギーの吸収率は、今回試験に用いた飼料では、その組成にあまり影響を受けなかった。100g以下のニジマスでは10-15℃の水温で、温度の上昇に伴いDEが増加する傾向がみられた。これらの結果から、コイあるいはニジマスでのDEを測定する場合は、前者では10g以下のものを用いるか、水温20℃で実施すべきであり、後者では、100g以下のものを使用し、水温15-18℃の範囲で測定するのが望ましいことがわかった。 3.代謝熱量及び正味熱量の簡便推定法:アミノ酸バランス(EAA指数)を変化させた精製飼料を用い、DE、代謝熱量(ME)及び正味熱量(NEp)を求め、これらと飼育結果及び魚体の分析結果との相関関係から熱量指標の優劣を判定した。その結果、各飼料のDEにEAA指数を乗じた値とME及びNEp間には有意な直線関係が認められ、これらの回帰式から得られたMEとNEpの推定値は飼育結果全ての指標と非常に高い相関関係を示し、簡便なNEとNEPの推定が可能となった。
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