1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 篤彦 東大, 農学部, 助教授 (90011923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 好和 東京大学, 農学部, 助手 (10134511)
安田 和雄 東京大学, 農学部, 助手 (90134519)
小野 憲一郎 東京大学, 農学部, 助手 (50111480)
友田 勇 東京大学, 農学部, 教授 (00011859)
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Keywords | 日和見 / 真菌症 / 真菌 / 免疫 / マクロファージ / クリプトコックス |
Research Abstract |
家畜における真菌症の日和見感染の側面を明らかにする目的で、臨床的ならびに真菌学的検討,免疫学的診断法の検討,および発症要因の検討を計画し、研究を行なってきた。その結果、現在までに得られた成績の概要を疫学的,臨床的,および免疫学的の各観点から要約して以下に示す。 1.疫学的問題 現在までのところ、適切な診断法を開発し得なかったため、十分な調査は不可能であった。これまで検索された症例を集約してみたところ、わが国においてもアスペルギルス症,カンジダ症,ムコール症などの症例が増加の傾向にあると考えられた。呼吸器疾患の原因として、アスペルギルス(牛,馬,兎,猿,ペンギン),ムコール(牛,豚),クリプトコックス(犬,猫)などが認められ、消化器疾患では主にアスペルギルスとムコール(牛)が起因菌であった。牛ではアスペルギルスによる流産やカンジダによる乳房炎も認められている。 2.臨床的知見 猫に発現したクリプトコックス症の3例を検索した結果、本菌の初期感染巣が上部気道、特に副鼻腔に存在する例のある可能性が示唆された。また脳神経系への感染も鼻腔より中枢神経に直接病巣が波及し、真菌が侵襲する場合のあることが考察された。 3.免疫学的検討 クリプトコックス症の原因菌であるCryptococcus neoformansの同一菌株で莢膜の厚い細胞と薄い細胞を作成し、それぞれに対する猫肺胞マクロファージの貧食殺菌作用について検討した。その結果、肺胞マクロファージは莢膜の厚い細胞よりも薄い細胞を容易に貪食し殺菌するものと考えられた。
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[Publications] 長谷川篤彦: Jpn.J.Med.Mycol.27. 82-85 (1986)
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[Publications] 長谷川篤彦: マイコトキシン研究会雑誌. 24. 9-12 (1986)
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[Publications] Chikage Onda,Atsuhiko Hasegawa,and Isamu Tomoda: Jpn.J.Vet.Sci.