1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480090
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
浜名 克己 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 光春 鹿児島大学, 農学部, 助手 (30157383)
望月 雅美 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90157834)
西尾 晃 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90133181)
清水 孜 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50072921)
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Keywords | 先天異常 / 子牛 / 水無脳症 / アカバネ病 |
Research Abstract |
1988年1月から7月にかけて、鹿児島県内各地から牛の先天異常100例が収集された。品種別では黒毛和種84例、ホルスタイン種16例となり、性別では雄58例、雌42例となった。 これらの異常を器官系統別に分類すると、複合異常が22例(2種14例、3種4例)含まれたため、その総数は122例となった。すなわち、骨格系5例、股関節形成不全1例、関節弯曲症9例、中枢神経系55例、心奇形18例、気管狭窄1例、直腸腔瘻1例、腎異常2例、水腫胎1例、卵巣卵管欠損1例、潜在精巣5例、二顔体1例、虚弱18例、ミイラ1例、早死産3例となった。 出生地は曽於郡44例、始良郡26例が多く、伊佐郡12例、肝付郡5例、薩摩郡7例、日置郡4例の順となった。産歴では初産が32例と多く、2産22例、3産12例、4産8例と漸減し、それ以上は散発的であった。 出生月の分布では、1987年11月以前が散発的に8例含まれ、12月5例、1988年1月5例、2月8例、3月14例、4月31例、5月19例、6月6例、7月4例となった。このうち12月3例、1月3例、2月6例は、剖検により肉眼的異常のない虚弱であった。 3月から5月の増加(計64例)は中枢神経系の異常(計49例)が主であり、その中でも水無脳症(計47例)が大半を占めた。水無脳症は3月12例、4月25例、5月10例、6月2例とこの季節に限って発生した。 水無脳症49例のうちでは、黒毛和種35例、ホルスタイン種14例となり、例年になく、後者の多いのが特徴であった。水無脳症の中には小脳が15g以下しかない小脳形成不全を併発しているものが12例含まれたが、いずれも黒毛和種であった。また発生は3産以下の低産次に集中した。 臨床所見と剖検所見から、本研究にみられた水無脳症はアカバネ病によると考えられる。しかし、発生時期のずれや関節弯曲症の点で異なる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hamana,Katsumi.;Taura,Yasuho.: 15th World Congress on Diseases of Cattle,Palma,Proceedings. 2. 886-889 (1988)
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[Publications] 浜名克己: 日本獣医師会雑誌. 42. 29-38 (1989)