1988 Fiscal Year Annual Research Report
新しい神経性ペプチド,サブスタンスKの脳内分布様式と中枢機能発現との相関について
Project/Area Number |
61480120
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
神谷 大雄 福岡大学, 薬学部, 教授 (90028366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 隆輔 福岡大学, 医学部, 教授 (20078736)
本多 健治 福岡大学, 薬学部, 助手 (60140761)
高野 行夫 福岡大学, 薬学部, 助手 (50113246)
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Keywords | サブスタンスK(ニューロキニンA) / サブスタンスP / タキキニン・ペプチド / タキキニン受容体亜型(タキキニン受容体サブタイプ) / 孤束核 / 神経刺激伝達物質 / 脳動脈 / ペプチド二量体 |
Research Abstract |
1.孤束核(NTS)におけるタキキニン・ペプチド性神経の存在 圧受容器反射に関与する第IXおよび第Xの両脳神経がNTSに入力していることに注目し、次の実験を行った。(1)ラットのNTSへの微量(0.1μl)注入により、サブスタンスP(SP)とサブスタンスK(SK;ニューロキニンA)の濃度・血圧反応を検討した。(2)節状神経節切除による上記両神経の除神経後1週間経過したラットのNTSと関連部位におけるSKとSPの各含量を放射活性免疫学的定量法で測定した。これら実験結果は、SKがSPと共にNTSへの求心性神経の刺激伝達物質であることを示唆している。しかも血圧反応にみられる両考の差異から、NTSにタキキニン受容体亜型が存在し、これらを介して血圧反応を発現していることが考えられる。しかし、その解明には受容体亜型を同定する特異的リガンドを必要とし、さらにこれらペプチド作用へのノルアドレナリン性など古典的神経伝達物質を含む神経系の関与の有無を証明することが今後の課題である。 2.タキキニン受容体亜型リガンドの検索 SPおよびSKに由来する数種のアミノ酸フラグメントとそのペプチド二量体について、それぞれの生理作用(平滑筋収縮、唾液分泌および血圧の各作用)を比較、さらに受容体結合親和性を検討した。これらペプチドのいくつかのフラグメントをペプチド二量体にすることにより、タキキニン受容体亜型、NK1型への特異的リガンドになる可能性を示唆した。 3.動物の種差によるタキキニン・ペプチド分布の比較 哺乳類に至る種々の発達段階の脊椎動物の脳動脈について、タキキニン・ペプチド性神経の支配様式を比較した。
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[Publications] Takano,Y. 他: Regulatory Peptides. 22. 181 (1988)
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[Publications] Kodama,H. 他: European J.Pharmacol.151. 317-320 (1988)
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[Publications] Shimohigashi,Y. 他: Regulatory Peptides. 22. 172 (1988)
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[Publications] Takano,Y. 他: 神経化学. 27. 278-279 (1988)
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[Publications] Higuchi,Y. 他: European J.Pharmacol.(1989)
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[Publications] Tagawa,T. 他: Zoological Science. (1989)
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[Publications] Ando,K. 他: Histochemistry. (1989)
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[Publications] Nagashima,A. 他: Brain Research. (1989)
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[Publications] Sakaguchi,K. 他: Peptide Chemistry. (1989)
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[Publications] Yoshitomi,H. 他: Peptide Chemistry. (1989)