1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61480121
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Research Institution | National Cardiovascular Center |
Principal Investigator |
今井 正 国立循環器病センター, 薬理部, 部長 (40049010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 卓司 蛋白質研究奨励会ペプチド研究所, 研究員
古関 千寿子 国立循環器病センター, 薬理部, 研究員 (80134534)
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Keywords | 心房性Na利尿ペプチド / ANP / 尿中Na排泄 / 平滑筋 / エンドペプチターゼ / 糸球体 / 尿細管 |
Research Abstract |
(1)ANPの構造活性相関: hANPの各種アナログを用いて、ANPの構造活性相関をしらべた。生理活性として、カルバコールで収縮したひよこ直腸の弛緩作用、ノルエピネフリンで収縮したラット大動脈輪の弛緩作用、ペントバルビタール麻酔ラットの利尿作用を指標にして生物活性をしらべた。12位のMetはrANPと異る唯一のアミノ酸であるが、この位置をIleつまりrANPにするとすべての活性は上昇した。12位のMetを酸化するとすべての活性は著しく低下した。Nleに置換すると弛緩活性は低下したが利尿活性は不変であった。N末端のアミノ酸を除くと、ごくわずかの活性低下がみられるにすぎなかった。N末端の5個のアミノ酸を除いたα-hANP(7-28)では逆に活性の上昇がみられた。これに対して、C末端のアミノ酸を2個以上除くと活性の著しい低下が起った。環状構造がS-Sで結合していることが重要であるかどうかしらべるため、これをエチレン結合に変えたところ、ラット型では活性が軽度低下したのみであったが、ヒト型では著明な活性の低下が認められた。 (2)ANPの腎内分解部位 外因性のANPは2〜3分の半減期で急速に消失する。腎を摘出するとANPのクリアランスが低下するので、腎がANP分解に関与している。ANP分解の腎内での局在を明らかにするため、ウサギの単離糸球体及び尿細管分節を用い、一定量のANPとインキュベートレ、残存するANPをRIA法で測定した。エンドペプチターゼ阻害薬であるフォスフォラミドンで抑制可能な分解活性を測定したところ、糸球体及び近位尿細管にのみ特異的な分解活性が存在することが明らかとなった。
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[Publications] Watanabe,TX;Noda,Y;Chino,N;Nishiguchi,Y;Kimura,T;Sakakibara,S.: Imai M.Eur J.Pharmacol.147. 49-57 (1988)
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[Publications] Shima,M;Seino,Y;Torikai,S;Imai: Life Sci.43. 357-363 (1988)
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[Publications] Imai,M;Kondo,Y;Yoshitomi,K.: Peptides. (1989)
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[Publications] 赤羽敏、古関千寿子、今井正: 循環科学. 8. 1036-1045 (1988)
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[Publications] 今井正、古関千寿子、渡辺卓司: 蛋白質、核酸、酵素. 33. 2476-2489 (1988)
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[Publications] 斉藤寿一、今井正 編: "心房性ナトリウム 利尿ペプチド" 中外医学社, 1-242 (1988)