1986 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体によるヒトB細胞活性化機構の研究
Project/Area Number |
61480133
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
上出 利光 札幌医大, 医学部, 助手 (00160185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 昌明 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40187232)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 小型静止期B細胞 / マントルゾーン / 活性化大型B細胞 / 胚中心 |
Research Abstract |
(1)モノクローナル抗体の作製:EB virus-transformed B cell line(KOI)を用いてBALB/Cマウスを免疫した。免疫マウス脾細胞とNS/1細胞をKoller and Milsteinの方法により細胞融合を行った。得られたハイブリドーマの培養上清を各種ヒト培養株を用いてスクリーニングし興味ある2種類のモノクローナル抗体(L29,L30)を得た。 (2)L29及びL30の反応性:扁桃B細胞の1/3とL29は反応し、L30は2/3と反応する。Percollを用いてB細胞を分画すると、L29は高比重で小型の静止期B細胞と反応し、L30は低比重で大型の活性化B細胞と反応することが明らかとなった。しかも扁桃腺を用いてその組織内分布を調べてみるとリンパ濾胞のマントルゾーンに分布する小型リンパ球とL29は反応し、胚中心に存在する大型リンパ球とL30は反応していた。しかもこれらの抗体はT細胞とは反応しない。これらの結果からL29は静止期小型Bリンパ球を認識し、L30は活性化された大型の胚中心にある分化度を示すB細胞を認識すると考えられた。さらにヒト末梢血B細胞をB細胞マイトージェンであるPWMで刺激し、L29及びL30との反応性を調べると、L29との反応性は減弱していくのに反し、L30との反応性は増強していくことがわかった。したがってL29は静止期B細胞を認識し、B細胞が活性化し、抗体産生細胞へと分化を開始するにしたがって反応しなくなり、L30は静止期B細胞を認識せず、B細胞が活性化するにつれて反応するようになる。しかし両抗体ともB細胞分化の最終段階であるPlasma cellとは反応しない。両抗体の組合わせによりB細胞分化を明確に区別できると考えられ、今後B細胞腫瘍との反応性を検討し、その分化段階を明らかにしていきたい。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Uede,T.: Journal of Immunology. 136. 3968-3976 (1986)
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[Publications] Kohda,H.: Journal of Immunology.
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[Publications] Kohda,H.: Jpn.J.Cancer Res.(GANN).
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[Publications] Kokai,Y.: Clin.Exp.Immunol.64. 382-391 (1986)
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[Publications] Sato,N.: Jpn.J.Cancer Res.(GANN). 77. 473-479 (1986)
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[Publications] Uede,T.: Ann.N.Y.Acad.Sci.(1986)
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[Publications] Ishii,Y.: "Leukocyte Typing 【II】,Vol.2" Springer-Verlag, (1986)
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[Publications] Takei,T.: "Leukocyte Typing 【II】,Vol.1" Springer-Verlag, (1986)